夢見るチカラ(詩集)

女王の歩み

日差しも穏やかな

初夏の午後

散歩で通る

遊歩道では

どこからか

草木の匂いがする

道のわきは

小さなジャングル

おいしいお宝を求めて

ありんこが草むらに入っていく

一方こちらの巣は

結婚式の準備に大忙し

新しい女王が

巣から飛び立てるように

ありんこが

巣の入り口を

整備している

ほんのわずかの間の

ありんこの結婚式

わたしも見たのは

子どものころに

一度きり

でも今日は地面に

羽を落とした女王が

急ぎ足で歩いているのを見た

新たな命を育むための

女王に課せられた試練

どうか

踏みつぶされないように

良い新たな住みかを見つけられるように

女王の歩みを

応援したい気持ちになった