悲観論者に向けて
悲観論者はいつも言う
我々の周りのひとびとは堕落した
だから裁きを
受けなければならない
神の審判を受けよ、と
メシアの言葉にはある
「裁かれたくなければ、相手を裁かないことです」と
ひとの行いのひとつひとつは
やがては来る人の必定
死のあとに自分で顧みることになる
この世でもっとも重要なのは 経験
卑小な自分から成長する自分へと
変革するプロセスを望んで
この世に生まれてくる
生命に善悪は無い
ひとの社会だけが
良いことと悪いことを分けるようにできている
それは自らの心に宿る自分自身という神さまが
卑小な自分を大きくしていくにはどうしたら良いかをささやき
外れた道を歩む自分のときには、悲しみを、自己否定を
強くあらわすようになる
テロリズムに走るひとたちは
裁きをほかの人に与えたつもりで
自らの心に宿る良心という
小さな小さな神さまを無視している
そんな目的のために私は生まれたのじゃない! と
小さな小さな神さまは悲しみで一杯の心をぶつけてくる
もしも空爆ドローンにペッパーくん並みのコミュニケーション力が備わっていたら
空爆で罪もないひとびとを巻き込んで殺す前に
「こんなことのためにぼくはいるのじゃない」と空中分解するかもしれない
今の時代、戦争は、機械VS古い銃を持ったひとびとの舞台になっている
だが、空爆ドローンのスイッチを押すひとのカルマは
人殺しのカルマは軽くはならない
復讐の想いが安全圏などない恐怖の世界を作り出す
空爆ドローンに向けられた敵意は
空爆に加担する国のなかで
テロを行う人々の形となる
かつて、国と国との戦争があった頃は
無法地帯がそこに存在していたが
今の時代、落ち着いた町のカフェでサッカーを観戦していたら
それが、神の教えに反するとして
ある日、突然銃が乱射されて殺される原因となる
とんでもない時代になった
国と国とのガチンコ勝負の戦争は
この先、どんどんと少なくなっていくだろう
そうして、国内での同じ国民で
恵みを受けられない者の呪詛ともいえるテロ行為が
行われていく
テロを無くすには
恵みを受けられないひとびとを減らすことだ
今、難民の中で窃盗や強盗を行う者が少なからずいて
本当に苦しむ命からがらで逃げてきた難民までが疑いの目を向けられ
難民収容所が放火されるような事態が発生している
難民と、もともといる住民との間に争いと分断が生まれている
それこそが、テロリストの狙いなのだ
イスラム教とそのほかの宗教
宗派と宗派
経済的に豊かなところと貧しいところ
絶望的に分かれているところの
不安や怒りを飲み込んで
武装派組織が育つのだ
しかし、時代は戦争の無いほうへと向かっている
この先、第3次世界大戦は
人びとがよほど愚かでなければ起こることはないだろう
その中で、武装派組織のアイデンティティが問われることとなる
自らを守るつもりで作られる武装派組織
中東・アフリカでは、組織と国の正規軍との戦いが蔓延している
裏に存在するロシアやアメリカの存在
経済的には無視できない中国の存在
大国どうしは、既に話し合いの場が持たれ、協調を画策している
中東・アフリカの各組織も停戦交渉が行われることだろう
世界に絶望した者が起こすテロは
悲観論者が無くならない限り
無くなりはしないが
その数は少なくなってゆくことだろう
自らの良心に向かってゆっくりと進む
私たち人類の流れは
とどまることは無いだろう