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こころの花束

永遠の花束があるとすれば


それは三次元世界のここではない


今日、カメラに映った


美しい紫陽花の花々は


おそらく数日のうちに


色あせて枯れてゆく



永遠の笑顔、をひとは求めるが


それは三次元世界のここではありえない


求めることは大切だけれど



怒りや悲しみ、それら


低次元と呼ばれる感情も


沸き立つときには必要なものだ


一旦怒るからこそ、とことん悲しむからこそ


速く冷静にもなれる


むしろ、嫌われたくなくて


へらへら。


そう無理な笑顔をしていると


こころの奥の永遠の笑顔とは


いつのまにかまったく違うものが巣くう



怒りも悲しみも


妬みも僻みも承認欲求も


一旦はその感情が自分にきちんとあるのだと


自分自身でこっそりと受けとめておく


それだけなら誰にも迷惑をかけることはないし


誰かに話してその感情を分かってもらおうとすると


気が付いたら誰もが遠ざかってゆく


そんな苦しみがさらに増えることを止められる



だから



表現の場、


映画やドラマや小説は、そうしたネガティブ感情を吐き出し


感情の昇華をしてもらったりするために、怒りも悲しみも


ネガティブな感情も赤裸々で、いい


だからこそ、ときに、殺人したいという思いさえ


止められる即効薬となりうる



殺人事件が取りざたされる映画やドラマや小説は


喝采をこそ浴びることもあるのだから



とは言っても


個人的には


私の中学生のときに、いとこが病気で死んでから


大好きだったシャーロックホームズが読めなくなった、という


経験があるから


誰かにとって大切な人が死ぬ、殺人事件がてんこ盛りの作品は


もういいや、になったりもする



そうやって、誰か大切なひとの死で


大切な今を生きること


それに気づかされると


こころに永遠の花束が咲き始めるのかもしれない



どんなにつらいことがあっても


笑うことを、忘れないようにしようと




大切なひとが


死ぬ前にあんなに笑っていた、



それを覚えていようと思うから



紫陽花は散っても


そろそろとひまわりの花が開いてゆく

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