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消えていったひとつの若い命のための哀悼

また子どもが自殺した


新聞にも載らない片隅で


投げ捨てられる、子猫のような


ネグレクトではなかったようだけれど


目に見えないケージに囲われ、


日ごと日ごとに無能だクズだと


態度に表す親ガチャに当たった、だったらしい



親を責めても仕方がない


自殺した子どもを憐れんでも仕方がない



ただ、ごはんが食べられて


戦争も飢餓もないこの国では


子どもの自殺率がうなぎ上り



それほどの生きにくさを抱える


「褒めてくれない」を


「わたし/ぼくは無能でクズ」に変えて


死んじゃいたいな、


もしくは


いっそどっかで無双してやろうか



そんな思考にとらわれて


消えていった命を


決意してしまった命のことを思う



「あんたはほんとに何にもできない」


若いころ


私もそう母に言われて育った


あのころは


子どもでもゲームセンターに行って


夜12時を過ぎても


まあ、法律で禁止される時代じゃなかったから


イヤな母親から学習塾に行くことで離れて


そのあとに親友とゲームセンターで遊んで


寝る直前まで、帰らない


そういう逃げ方ができたけれど



今は深夜の子どもの徘徊、として


禁止される行動だろう


禁止をされた子どもたちは


どこへ逃げれば良いというのか



家庭に居場所のない子どもたちは



親からの「あんたは何もできない」に怯え


傷つけられる子どもたちは



逃げられずに堪えて年を重ね


社会人になって、上司に「褒めてくれない」と


転職動機を作る新入社員の気持ちとして


大人への反抗というか、これまでの鬱積の放出として


現れたりもする



いいところを見つけて褒める


たぶん


それができない親世代は


すごく多いのだろう



おじいちゃん、おばあちゃんの世代は


小学校、中学校で勉強は終わりで


そのあとにすぐ働いていく人生も多かったから


子どもが高校、大学へ行けば


それで自分を越したと思えたし


自分よりも高収入になった子どもを見て


自分を越したと満足できる


そのくらい、良い意味で単純な出世の正解ストーリーがあった



今は


子どもに求めるものが多すぎて


一流の大学へ行って一流の企業に就職すればゴールとか


何が親の中で一流と言えるのかも判断せずに


ひとが言う「有名どころ」を正解として



確かに一流とされる大学ならば就職には強い


しかし、子どものわずかな「好き」のこころとすら


一致してない「とりあえず有名」が一流になっていないだろうか



確かに大企業であればつぶれにくい


しかし、その企業の風土が子どもに会うとは限らない


小さな企業でも特許をいくつも持って


100年後も残るだろう


そういう企業もあるのだから



「夢なんてない」


「何が好きかも分からない」


そういうものはキラキラとしていて、自分には無い


そのくらいに疲れ果てて、うつぎみな子どもたちもいる



行動して失敗は嫌だから、正解をください


人生に最適解は見いだせても


全人類にオールオッケーな正解は


世界平和、そのくらいかもしれないのに


いや


平和とされる日本のなかで


子どもたちがこれほど命をかけて「死にたい/爆発したい」こころと戦っているなら


平和とは物理的なものが満たされても


こころの安らぎが足りなければ


平和とは言えないのだろう



生きてるだけで、いいんだよ


夢はあれば育てていって


ちいさな目標を叶えて達成感を得るための力を引き出す


そういうために、使えばいい



「何かになる」じゃなくて



絵を描きたい


お話しを作りたい


とにかく何か、文章にしてみたい



なろうで200文字の短編をとりあえず作ってみることだって


「200文字を書きたい」は十分な「夢」なんだよ



なろうの異世界ファンタジーが楽しい


それも十分な「好き」なんだよ



一流、一流ととりあえず言ってみる


ド三流の親ガチャに


当たってしまった子どもたちに



ほんのすこしの「好き」や


ほんのすこしの「夢」が


危うい命を


人生、楽しいなと思える時まで


つながりますように

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