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冬の日の朝
朝はつとめて、と清少納言
吐く息の白い朝、
みんながきびきびとした様子で歩く
このすこし背筋のピンとした感じ
春にも、夏にも、秋にも
朝は優しいものだけれど
この冬の朝は、たしかに
気をパシッと入れて
一日をしっかりやっていこうと
そういう気持ちになる
エアコンやストーブで守られた
部屋の中にいるよりも
この「つとめて」の時間帯に
外へ出ると、こころが
一気に浄化された気になる
冬は、頑張らねば死ぬのだ
あたたかいあなぐらに
眠れる動物たちと違って
私たち人間は、家で火を使って
自分たちをあたためながら
起きて
春を心待ちにするしかない
夜の時間の長い冬
より、思考を熟考させて
窓辺の雪で
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