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広い意味でのアートとは
自分のからだで出来ること
それはお金のことより大事
踊っても、お金にならない
歌っても、お金にならない
だけども、意地悪なひとが
楽器を壊し、歌うな踊るなと強要しても
どこからか風が吹けば
木々が騒げば
川の音が流れれば
ともにいつしか口ずさむもの
木切れひとつを、カッチンカッチン大地に打ちつけて
骨や皮を笛にしたり、太鼓にしたりして
足を踏み鳴らし、手を叩いて
いつしか体が動くもの
ずっとずっと昔から
言葉が文字になるその前から
一万年以上も前から
楽器はあり、踊りはあり、歌もあった
絵もそのひとつ
ものづくりだって
動物の絵を描いたり
不思議なかたちの土偶や土器を作ったり
一万年以上も前から
絵はあり、土をこねて作られた道具はあった
お金という道具が生まれるよりも
ずっとずっと昔から
アートは、自分の体から生まれる何か、に
意識を取り戻すこと
手が絵を描き、ものをつくり、楽器を奏で、手拍子をとる
お金でない重要な
自分の体というものを通して生まれる何か、に
自分の心を託してみること
芸術とは、そのような もの