続けられることの、大事さ
賞も書籍化も
コミカライズ化やアニメ化も
何ら、求めていない私が
それでも己を作家であり、詩人である
そう自負している
この路傍の石の確固たる意思
それは、過去の詩人が
「自分が詩人である、と思えばそれはもう詩人なのである」
とうたってくれたことに心のよりどころがある
2011年に「小説家になろう」を訪れて
初めての作品を出してから10年
賞も書籍化も
コミカライズ化やアニメ化も
あいかわらず縁の無い日々を送っていて
実のところ、その今でも一般人のはしくれである自分を
愛する自分が、過去よりもずっと強くなっている
私は覚えている
ランキングに掲載されたので、書籍化の打診があったあとに
出版社とモメて、なろうの作品掲載を削除するように要求されたらしく
出版に至らず、そしてなろうの作品も更新が途絶えてエターナルしてしまった
その作品を
ネットでの自由な創作が止まり
完結に至らなくなることさえある
利害の駆け引き
それを目の当たりにした私が思うことは
創作の自由、をほんとうに愛するのならば
ひっそりと埋もれて
一般人としてさまざまな立場を持ち
空いた貴重な時間で自分の作品を守る
物語を終わらせることができるかどうか
分からなくても
いつか完結までたどり着く
その意思を持ち続けて
書き続けること
それがとても大切なのだと
私は今後も、書き続ける
インスピレーションの源泉が
枯渇しない限り
そしてインスピレーションは
さまざまなものやことやひとへの好奇心がなくならないかぎり
いつでも降りてくることを知っている
駄作かもしれないと感じても出す勇気
もちろん自分のなかで、そのストーリーはまだ熟していないと
感じるものを出すわけにはいかないけれど
自分のなかでは駄作でも、ひとによっては傑作と思う場合もあるから
インスピレーションが降りたとき、これは傑作なのだという勢いがあるのなら
それは出してみた方がいい
「走れメロス」みたいに
作者があとで自分のなかでは駄作、としてしまう場合もあるけど
書いているときは、きっと傑作と思っていたのだ
そうして生まれた「走れメロス」は
作者がその後の人生で作品をどう思おうと
世の傑作として、のちの時代のひとびとが
たくさん、感動を得ている
私も、ひとりの作家として、詩人として
訪れて読んでくれたひとたちのこころが
すこしでも、作品からなにか感じてくれたなら
それでもう、上出来だ