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ゴドーは来た、というかずっと前から今も

すこしむかし、演劇のひとに


サミュエル・ベケットというひとがおりました


代表作は「ゴドーを待ちながら」で


ゴドーを待ち続けている、ひとびとのおはなし


ゴドーがやって来ないのならば


「そして明日首をつろう」


そう言いはなつおはなし



ゴドーとは、ゴッドの愛称みたいなもので


20世紀の戦争の時代に


「神は死んだ」ともてはやし


ひとはなにをやっても許されると


地球も資源も


無限であると


勘違いしたままで


浮かれていられた


最後のころのおはなし




そして21世紀が始まり


ひとの命はもちろん有限で


資源も環境も


人間が破壊し続けたものが残り


因果応報で


これからはその先人たちが残した


ゴミの山の対応に


穢してしまった環境に


今いる人間が何とかしなければ


気候変動にまで影響し始めた


優しくない自然と


川沿い、海沿いの土地を


押し流してしまう豪雨



神、という存在が


ひと、という姿かたちではなく


むしろドラゴンのような


畏れ多く、抗いようもない


怒ればどうしようもない


そんな地球の上に


おろおろとするほかのない


わたしたち



神は死んだ、と告げたニーチェは


主人公ツァラトゥストラが初めにいた自然を去るすがたを描いた


自然を神とするならば


死にようもなく、


また


わたしたちよりも先に滅びるはずがないのだ


地球が滅びても太陽は残り、


太陽が滅びても銀河の中心は輝く



21世紀は


地球、太陽、月という


大きな大きな神さまたちとともにあること


そして地球という神さまのなかで生きる


人間という存在はとてもちいさくて


たったひとりでは何もできないこと


ほんのちいさなウィルスが


人間をあっと言う間に殺してしまうこと


そんな恐れのなかで生きていくことになった



「神は死んだ」なんて


傲慢に考えてしまってごめんなさい



いのちは、星は、つねにあり続けているのに



過ぎゆくわたしたちのいのちを抱く


やさしい御手


恐ろしい御手


三次元世界では無い、意識界のその向こうで


永遠にあり続ける


無音無形の言葉にならぬものに


ものたちに


そっと祈りを捧げるのです

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