星のいのちを火星に運ぶ
大きなビロードのような闇の中に
ちいさなちいさな恒星が
それでも無数に輝いている
たとえ地球が寿命を終えて
太陽に迎えられて死ぬ定めだとして
そこまで、弱くてちいちゃなまめつぶみたいな
ぼくら人間や、動物や、植物が
どこまで生きられるかは分からない
不安はいつでもあるけれど
たとえば地球に隕石が降って
生きものに過酷な環境になって
人類が滅びるかもしれないから
逃げ場所として火星を選ぶって
なんだかちょっとカッコ悪い
宇宙の闇のパワーは凄くて
一瞬で恒星が、ブラックホールに飲まれることだってある
隕石が降る確率を考えるなら
ブラックホールがやってきて
一瞬で太陽も地球も消してしまうことだって
考えなくちゃいけないことになる
それは、明日交通事故に遭うかもしれないとか
病気になって死ぬかもしれないとか
火山が噴火するかもしれないとか
自分が死ぬということを
余分に考えすぎてしまっている
ぼくらもいのちも星も
たしかにいつかは死ぬでしょう
だけどそれまでに何が出来るかを考えて
一日、一日をたしかに大切に生きていけばいい
地球の人類が滅びるかもしれないから
火星を逃げ場とするんじゃなくて
火星にいのちをもっていって
どれだけいのちを広げられるか
その挑戦をこれから長いことしていくんだって
そう考えた方がワクワクする