第13話「社長の優しさ」
赤いヒマワリ殺人事件
富橋財閥社長、富橋和夫が何者かによって殺された
赤いヒマワリを最後の言葉にしたことに興味を持った、神崎蒼探偵は高松刑事と共に富橋財閥の豪邸へ
少しの間泊まることになるが
黒い人間が現れ、第2、第3の殺人が起きてしまう
ついに、蒼探偵は犯人を推理する
犯人は全員だった!
そして和夫社長殺害の全貌が明かされる
雪菜は和夫社長を呼んだ
「父さん、大事な話があります」
2人はヒマワリ畑のテントへ向かった
その中には、3姉妹の次女月乃と三女の花子がいた
少し歩き、真ん中に行った
「父さん、その…あの…」
「わかっている」
「え?」
「お前達は、色んな事情があるんだな
お金が必要なんだろ」
「どーしてそれを…」
「私を誰だと思っている」
「お金がないと、、だめで、、」
月乃が言った
「なら、もっと働けばいいだろ
俺はお前達を幸せな家庭にしてあげたいんだ
でも、それは自分で克服しないといけない」
「でも父さん、私達は頑張っても無理なの」
雪菜は言った
「なら、なんで結婚なんかしたんだ!
雪菜はギャンブルしてばっかの夫を
月乃は全ての責任を持っている夫を
花子は借金を持った恋人だなんて
お前たちの目がないだけなんじゃないのか」
「私は雅也さんを愛してるの!
借金を返せれば結婚できるの!」
花子は言った
「私はもーすぐで借金が返せるの
子供を作りたいの!」
月乃が言った
「私が社長になれば
ギャンブルをやめさせられるかもしれないのよ!」
雪菜が言った
「お前達は、なにもわかっていない!
私がお前達をどれだけ優しく、そして美しく育てたと思ってるんだ!
いつから、、そんな、、子達になったんだ」
その時、テントから家族全員と家政婦の華恋がきた
「お前たちもなのか…」
「和夫社長、俺たちはあんたを恨んでいるわけじゃない
でも、俺たちのためなんだ…」
「華恋、お前は…」
「あなたの態度、ストレスと感じていました
和夫社長、すみません」
「茜と亮太は…」
「…。」
「あの子達にはきかないであげて
これは私達の問題よ」
雪菜が言った
「俺はこんな子達に育てた覚えはないぞ!」
「ごめんなさい…父さん…
家族のためなの」
雪菜はバックに入れていた豪邸のナイフを出した
「雪菜…本気か!」
「ごめんなさい!
父さん!」
叫んだ雪菜は、和夫社長に向かって走り出した
だが、和夫社長はむしろ迎える体制になっていた
『ぐさっ…』
お腹から、赤い血が流れた
「ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…」
雪菜は和夫社長から離れなかった
そこで見た光景は全員を驚かせた
和夫社長は、未だに自身の腹を刺している雪菜を優しく抱いたのだ
優しく、温かく、背中を
「トン…トン…」
と叩きながら…
雪菜は泣いていた
そして、優しき和夫社長は倒れた
ナイフは刺さったまま
雪菜は泣き崩れた
月乃も、花子も…
他の人間は泣きはしなかったが
だんまりだった
そして、死ぬ直前…和夫社長は言った
「赤いヒマワリ…」
この物語はフィクションです
実際の名前、団体は架空の物です
作者の雅 優人です
和夫社長は、殺されても優しかったんですね
でも、お金が必要になってしまった家族達
悲しき真実です…