一話『始まり』
初めての小説です、お見苦しいかと思いますがご容赦ください
二つの作品を同時に書いてますが、二つで一つという感じで書いていきます
かつて大きな災厄があった。
それは魔王が現れ世界を混沌に落としたことだった。
水は濁り、草木は枯れ、動物は魔物へと変貌し、人はどんどん減っていった。
しかし負の連鎖は留まることを知らない。少ない資源を奪い合う人間同士の抗争。
人が息絶え、魔王が世界を支配するのも時間の問題と思われたが異界の勇者が現れこれを退け、
世界に平和が戻った。
その平和なったその年を新暦0年とし人は再生への道を歩むのだった。
王女アグリス=アルトリア。
黄金のような髪、整った凛々しい顔付き。
庶民にも優しく、自らも親衛隊と共に前線に立ちその聖剣技をもって武勲をたている。
そんな彼女だが今は絶体絶命の危機にあった。
「どういう事だ…」
アグリスは呻くようにつぶやく。
周りには親衛隊隊員10名が倒れており無事なものはアグリスしかいない。
死亡者はいないようだが、今は、というだけだ。
天より悪魔が飛来し、人類は危機に瀕している。
それを打開する策として勇者召喚の儀を執り行った。
散り散りになった資料を集め敵の手に落ちた神殿の奪還しやっと希望がの光が見えたかに思えた。
しかしそこから現れたのは闇のようなローブを纏った「誰か」だった。
闇色のそれを見たアグリスと隊員は驚いた、勇者を召喚したはずなのに出てきたのは明らかに闇の住人。
混乱が場を支配した時、「誰か」は一番近くにい隊員マッシュを襲った。
隊員とて数々の死線をくぐり抜けてきている。「誰か」がマッシュを襲った時点で混乱から覚め、敵だと判断し残った隊員で反撃に出た。
しかし素手で襲いかかる「誰かを」を止めることは出来なかった。
そして、その結果がこれである。
「……、お前は勇一体なんなんだ…?」
アグリスは聖剣を構えつつ「誰か」を見る。
召喚の儀を執り行った事で息が乱れていたが今は何とか持ち直している。
「………………………。」
答えはない。
(フードの所為で表情を伺い知ることも出来ないか…いや違う、これは…)
フードの中が夜のように暗く何も見えない。
それに気づき恐怖が滲みでる。
恐怖だけじゃない。
本能が、経験が、周りにの状況が、勝てない…そう言っている。
だか諦める訳にはいかない、今の自分にはやるべき事がある。
殆どない勝率を少しでも上げるため得体の知れない相手にもう一度問う。
「お前は一体何者なんだ?勇者なのか?!」
勇者、その単語を聞いた時「誰か」が反応した。
「勇者だと…ふざけるなッ!!!」
「ッ!」
膨れ上がる殺気、憎しみ。
何も分からず戦闘か、そうアグリスが思った刹那それは現れた。