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リーズ提督33話

「いらっしゃい」


「部屋は空いていますか?」


 二人の若い男女が宿屋の主人に声をかけてきた。


「はい。 空いておりますが」


 宿屋の主人は二人の旅人に営業スマイルで微笑んだ。


「戦時中なのに旅でございますか?」


「ええ……。 気になる男がこの町にいるので」


「気になる男でございますか……」


 男の方は頷く。


「ぜひ、会ってみたい男がこの国にいるんですよ」


「ふむ……。 さてはリーズ提督のことでは?」


 宿屋の主人は言ってみた。


「うん、そのとおり……。 一度会いたいからわざわざウェンデスまできたんだよ」


「ははぁ……。 ということはお客さん、外国の方ですか」


「うん」


「リーズ提督はウェンデスを代表する方ですな。 ジュネイデの海戦なんか私ら市民から見ても痛快このうえないですよ。 あの海洋大国ユハリーン艦隊に勝ってしまわれたんですからな」


 宿屋の主人はまるで自分のことのように言った。


「だから危険なんだけどね……」


「え?」


「いや、なんでもない。 ところでリーズ提督は今王都にいらっしゃるんですか?」


「おそらくまだ王宮に詰めてらっしゃるんじゃないですかね。 で、部屋は一つでいいんで?」


「こう見えて私は恐妻家でね。 未婚の女性と同じ部屋というわけにはいかないよ」


 男の方は笑って答えた。


「はあ、ではお二つ用意致します」


 宿屋の主人は、そういって部屋に案内した。


「ところでウェンデスまできたはいいですが、リーズ提督にどうやって会うんですの?」


「君はリーズ提督の旧知と聞いているが?」


「やっぱり私を頼っていたんですか……。 でも私はリーズ提督に快く思われてないですからね……」


「何をしたんだね、リーズ提督に?」


「それはいくらあなた様でも言えませんわ」


「ふむ……。 なら仕方ないか。 直接出向くとしよう。 エルゼはどうするかね?」


「着いていきますよ。 こうみえてもあなた様の護衛も兼ねているのですから……」


「護衛? リーズ提督は剣の腕に覚えがあるのか?」


「ファラス水軍の中では上位の腕ですよ。 意外と知れ渡っていない事実ですが……」


「そうか。 君がそういうんだからたいした腕なんだろうな」


「ええ。 私たちの中で彼に太刀打ちできるのは一握りですね」


「ほお……。 公式な記録とかなりの隔たりがあるな。 ファラスの剣術大会では入賞もしていないだろうが……」


「ああ……。 ファラスの剣術大会はですね。 自分より身分の高いものに勝つわけにはいきませんから水軍中夫だった当時のリーズ提督が上官に勝つわけにはいきませんからね」


「なるほど。 公式な大会では実力をセーブせざるえなかったわけか」


「ですからリーズ提督の知は世界中に広まっておりますが、武については無能というふうに広まっているのが現状ですね」


「恐ろしい男だよ。 ますます会いたくなった」


 男の方はニヤっと笑っていた。


 そのころ、噂の火中にあるリーズ提督は………。


「リーズよ、その手待て」


「却下です、陛下」


 陛下と盤ゲームを興じていた。


「いやはや、陛下はお強い」


「ボロ勝ちしている奴の台詞ではないな」


 ただいまの戦績。

 リーズ、20勝0敗。


「余も衰えたか。 こうみえて中々の戦績だったのだが……」


 陛下は頭をボリボリとかく。


「なに、陛下が単純明快な攻めしかしないから攻略方が生まれるのです」


 リーズはニコニコ笑いながら先ほどの一戦について語っていた。


「で、陛下。 ボクを呼んだのは盤ゲームをするためだけではありませんよね?」


「うむ……。 思いの外、山岳国家の攻略に手間どっておるらしい」


「中々屈しませんか」


「うむ……。 山岳ゲリラ戦で中々侵軍が思うようにいってないようだ」


「かといってもボクらはどうしようもないですが……」


「うむ、そうだな。 海ならともかくそちの海軍は山では畑がちがうからな」


「それに我々海軍まで王都をあけるわけには行かないでしょう。 この王都は言ってしまえば急所ですからね」


「まさにそのとおりだな。 ファラスみたいに無能が首脳でないぶん、中々と厳しい」


「元、仕えていた国を侮辱するのはアレですが、否定はしませんよ」


「元々、ファラスに眠る地下資源を得るための侵軍であったが、おぬしほどの男を得ることが出来たのは運が良かった」


「ボクとしてもここまでお引き立ていただける主君に会えた事、嬉しく思っております」


「今後も余のため、ウェンデスのため、頼むぞ」


「御意」


 リーズは空を見る。


「では陛下。 今日のところは暗くなってまいりましたのでこれにて……」


「うむ」


「失礼します」


 そう言ってリーズは退廷した。

 リーズは自宅の前に人がいるのに気付く。


「あなたがリーズ提督?」


「ええ、そうですが?」


「提督!」


 いきなり多恵がリーズの前にでてきた。


「ど、どうした、多恵」


 多恵は短剣を抜いて構えていた。

 かなりその男に警戒しているようだった。


「まあまあ、忍びのお嬢さん。 そんな物騒なものはしまってくれ」


 男は、多恵にそう告げるが多恵はいっこうに戦闘体制をとかない。


「提督、下がってください。 この男……」


「まあ、待ってくれ。 自己紹介は自分でしたい」


「多恵がここまで警戒する男か……。 あんた誰なんだい?」


「俺はレオンという」


「レオン?」


 聞き覚えのある名前だ。

 だが、ボクが思っている男のわけがない。

 その男がこんな所にいるわけがないのだから。


「提督、間違いありません。 この男、ナストリーニ国王、レオンです」


 多恵がそういった。


「……こいつは驚いた。 何しに単独でウェンデスまで?」


「単独じゃないわよ、リーズ……」


 レオンの横からよく見知った女がでてきた。


「エ、エルゼ……」


「お久しぶりね、リーズ」


「ああ、懐かしいな。 レオン王と共にいるということは君はナストリーニに仕えているってことか」


「ええ」


「まあ、エルゼ。 彼と話をさせてくれ。 そのためにウェンデスまで来たのだから……」


 エルゼは頷き、レオンの後に下がった。


「ここで立ち話はなんだ。 どこかにいこうじゃないか」


いける口なんだろ? と飲むポーズをとる。


「提督……」


 多恵が心配そうな顔で見る。


「いいでしょう。 ただボクは下賎な身分なもの。 ボクの知ってるとこでよろしければ……」


「かまわんよ。 変に固いとこより、そういったところのほうが落ち着くというもの。 腹を割って話すにはそういうところの方が都合がいい」


「そうですか……。 では、こちらです」


「て、提督!」


「彼女は君のSPかね?」


「そんな所ですよ。 念のため、同席を許可いただきたい」


「ふむ。 よかろう」


「………」


「楽しい夜になりそうだな……」


 レオンはそう言って笑った。


「ええ、全くです」


若干リアルが忙しくなりまして、中々執筆の時間が少なくなりつつあります。


携帯で投稿しているわけですが、この携帯、素敵なほどいらつかせていただいております。



保存前にぶつっといきなり電源が落ちるとか…、最低ですね(^-^;


ショップに持っていくと、雨の中で通話しましたね? っと……。



バイク乗ってるんだから雨の中も走りますよ。


次の携帯は防水携帯買わないけませんな。

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