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リーズ提督 3話

 何も艦数の少ない日に……。

 いや……。

 少ないと知っているからの行動か。

 海賊ごときがそう思うのなら、この国を狙っている国はどうだろうか…。


「艦を停止せよ」


 とっさに口に出た言葉だった。


「艦長…。 止まっている場合では…。 こうしている間にも海賊は侵略行為を行っているのですよ」


「演習はどこで開催されるのであったか?」


「ペイマ地方ですね」


「…………もし、ボクなら今、王都を攻めるな」


「え?」


「ペイマ地方から王都まで足の速い船でも三日かかる。 王都の防衛機能は今は騎士団が出払っていて半分以下……」


「……そういえば」


「そして都合よく海賊の出現……。 出来すぎてはいないか? 海賊が陽動だとすると……」


「ですが、上からの命令で我々は海賊討伐に向かっています。 このまま引き返したら軍罰ものですよ」


「海賊の規模はどれくらいだったか?」


「我々に報告がきていませんが、討伐に駆り出された艦は我らだけということですので小規模だと思われるのですが」


 小規模……。

 これはまたボクの話し判断を迷わせる。

 この海賊騒ぎが陽動ならば水軍の艦を集中させるため、大規模で暴れるようにボクなら仕向ける。

 こういう時ほど連絡網の不整備を呪う。

 まず、小規模という情報からこちらに与えられた判断材料から導き出した答えであり、正確な情報ではない。


 ボクらに与えられた任務は海賊討伐のみ。


「何を迷うことがあるのです、艦長」


「え?」


「我々軍人は与えられた任務を忠実にこなすのが仕事です。 艦長が今考えている事は越権行為に該当すると思いますが」


 確かに越権行為だ。

 ボクはこの艦の一艦長に過ぎない。

 ボクには任務がある。


「全速前進……」


「了解、全速前進!」


 だけどなんだろう。 この胸の不安は…。

 目的地が近付くにつれ、この不安は徐々にでかくなっていく。



「前方、船影あり!」


 ボクは双眼鏡で覗き、溜め息をついた。


 「小規模な海賊だと?」

 双眼鏡ごしに見える光景は、絶望的な光景だった。

 巨大な闘艦がざっと5艦。


「停止!」


「りょ、了解…。停止!」


「いや、針路反転! 当艦はこれより、全速力で逃げる!」


「に、逃げるのですか?」


「急げ!」


「針路反転! 全速力!」


「敵艦、当艦を発見したもようです! 2艦ほど追ってきております!」


 再び双眼鏡で見る。

 艦に旗がたっている。

 海賊旗ではない。 よく知っているから旗。

 ウェンデスの国旗である。


 ヒューーーーーーーーーー


 風切り音が聞こえてきた。


 ズバサーーーーーーーン!!


 巨大な水柱がこちらの船の側面にあがる。


「そ、そんな……。 この距離ですら敵の大砲の射程範囲なのか……。」


 副長は愕然としている。


「うちの四倍は長いな。 だが、艦の加速力は辛うじてこちらが上のようだ」


「ですが、あの大砲は……」


「総員、最低限の軍事物資を残し海に荷を投下せよ」


「……え?」


「艦を軽くして船速を上げろ。 射程外に逃げ込む」


「り、了解! 総員、軍事物資の投下作業だ! 全砲門、火薬、金、剣、鎧、鉄砲を海に捨てろ!」


 ヒューーーーーーーーン


 ズバサーーーーーーーン!!


「敵弾、左に逸れました!」


「命中精度が低いのがせめてもの救いだな」


「ええ。 あれだけ大きな水柱がたつ弾が艦に直撃したら間違えなく大破します」


「当たらない事を祈りつつ全速力しかないな。 悔しいけど…」


「で、ですが……。 今はいいですが、あんなのが王都に攻めてきたら……」


「……………」


 恐らく我が水軍では太刀打ちできないだろう。

 ウェンデスの政務力、科学力を過小評価したつもりはなかったが、全然甘かった。

 つい最近まで自前の水軍を持っていなかったウェンデスがこんな短期間にあれほどの水軍を結成するとは……。

 ファラスに勝ち目はない。


「敵艦目視距離からロスト!」


「逃げれた……か?」


「ウェンデスめ! これは完全な侵略行為だぞ。 外交問題だ!!」


「ああ、そうだな。 でも戦端は開いてしまった」


 ついにウェンデスは動きだしたか。


「な、なんだ。 あれは」


「どうした?」


 副長が見ている方向…。

 カネル水砦方角の空が真っ赤に染まっていた。


「この艦に戦闘力はもうない。 カネルに行っても足手まといだな」


 艦速をあげるために軍事物資を海に投げ捨てたため、戦闘力はない。


「再軍備のため、我らは王都まで行く」


「了解」


「針路転身!」


どうも、こんな稚拙なものをお読みいただきありがとうございます。今、主人公リーズとその士官した国ファラスが圧倒的に不利な立場を演出したかったのですがまだまだ文才がないためにうまく纏まらなかった事に激しく後悔(´Д`)

艦戦とか全く無知なのになぜ、水軍を題材にしてしまったやら(^-^;


批判的意見も大歓迎です。是非とも今後の肥やしにさせてください

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