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リーズ提督26話

 ボクらはいともあっさりヴィンセント帝国皇帝デュライと面会ができた。


 これがデュライ皇帝か。

 表現するなら威風堂々。

 大ヴィンセント帝国の君臨者だけはある。


「よう来た、ウェンデスの使者よ」


 サレア姫はデュライ皇帝の放つ気に気圧されながらも


「ウェンデスが国王、フメレオンの名代として謁見させていただきます、サレアと申します」


「うむ……。 で……、そちらはウェンデスきっての名将と名高いリーズ殿か?」


「御意」


「ふむ、いい目をしておる」


 ボクを一瞥してそう言った皇帝は、再びサレア姫に目を移した。


「して、用向きは?」


 ボクは陛下から託された親書を手渡した。

 皇帝は親書を読み、ボクを睨み付ける。


「小国ウェンデスが我が帝国と対等な同盟を望むか!?」


 と怒鳴った。


 サレア姫は気圧されながらも気丈に答えた。


「さ、左様でございます、皇帝陛下……」


「豪胆な娘御よ……」


 うん、それはボクも同意だ。

 皇帝はサレア姫を感心しているようだ。


「して、こたびの同盟盟約の真は互いの不可侵か?」


 ボクは首をふる。


「こちらは科学技術の提供、そちらはその豊富な物資の提供をお願いいたしたい」


「物資……。 ウェンデスは自給自足が難しい土地柄であったな……。 ワシらをはじめとした諸国による経済制裁によってさも苦しい思いをしておろう」


「いかにも。 やはり皇帝陛下発案でありましたか、あの経済封鎖は」


「発案はワシではない、教会だ」


「教会?」


「ウェンデスをはじめとする西方諸国にはそこまで影響力はないが東方には絶大な影響力をもっている……。 奴らは民の扇動にたけ、奴らを敵に回すのは国を預かるものとして避けなければならぬ」


 宗教がからんでいたのか……。

 かなり厄介だが、なんとか言いくるめなければウェンデスに明日はない。


「皇帝陛下……、それでは国の存亡も教会の意向に従うのですか?」


「存亡?」


「ヴィンセントの北にはユハリーン、東にはオオエド、南にはマウンテーヤ、カルザールがあります。 彼らが完全に帝国を封鎖するというのなら、我々西方ウェンデスにも話が来るでしょう。 そうすることによってヴィンセント帝国の包囲網は完成します」


「ふむ……」


「ですが我々はヴィンセント帝国を選びました。 何故なら、我らが宿敵と定めるナストリーニ王国はユハリーンと国交があり、いずれ同盟を結び我々を攻撃してくるのは明らかでございますから」


「ほう……、なるほど。 確かに……」


「今の世の中、国のメンツ等と言っている余裕がないことは明らかです。 我が故国、ファラスの結末も皇帝はご存知だと思われますが?」


「ガチス(ファラス国王)も自らの国を信じる余り、ウェンデスからの進攻に敗れ、滅びたのであったな……」


「御意」


「だが、ヴィンセントはファラスとは違う。 ガチスはあまりにも世情に疎かった。 が、ワシは違う……。 あえて単独で戦う事も可能だ」


「では、対帝国同盟にウェンデスが加盟した場合、いかがいたしますか?」


「………………」


「東西南北、全てに警戒し、やがては疲れましょう。 それがユハリーン軍師シューの思惑です」


「有り得る事だな」


「この同盟の失敗を見れば必ずユハリーンは我が国を訪れ、同盟を持ち掛けて来るでしょう。 我が国としては、東方の安全を計るという意味合いでこの同盟を飲むでしょうな」


「つまりウェンデスは我が方の敵となるか?」


「陛下の御心次第です」


「ふむ……」


 皇帝は考え込む。

 伊達にヴィンセント帝国を束ねる皇帝ではない。

 ファラス国王とは違い大局を読む力を持っている。


「ヘイムダム、おぬしの考えはどうじゃ?」


 陛下の横にいたヴィンセント帝国の軍師、ヘイムダムは皇帝の問い掛けに答えた。


「迷う必要はありませんな。 ウェンデスと結び付くのはヴィンセント帝国の為になるかと……」


「だが、教会はどうするか?」


「教会? いずれ敵となるものですよ?」


「ふむ……。 早いか遅いの違いだな。 つまりお前は賛同というわけだな」


「御意」


「リーズ殿」


「は……」


「明日、緊急議会を開く。 それに置いて結論をだそう。 今宵はゆっくりと城にとまるがよい」


「御意」


 ボクらは退室した。

………さぼってたわけじゃないです。


投稿の時間がとれなかっただけです。


おまたせしてもうしわけないです。

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