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マズー霊石ふたたび

「どうしてリトさんがここに?」


「偶然だな、お前こそなんでここに?ワナキーオに行った帰りか?」


ヌイさんの計らいで僕を待ち伏せていたとかではないようだった。


そういえばカサオーで別れた後、リトさんは南に向かうことになっていた。

それで僕はワナキーオから今北へ向かっている。

本当にたまたまではあるが、無くはない再会だった。


「はい、少し話が長くなってしまうのですが…」


僕はリトさんに自分の状況を説明した。


「それはまた、なんというか」


リトさんは半信半疑といった態度で笑った。

話ながら自分でも不気味なくらい物事が進んでいると思った。


「そういうわけなので、僕はこのままウィルコさんたちと北都市ホロッサに向かいます。

リトさんはヌイさんと合流しますよね?伝えていただけますか」


「それはもちろんだが、そうだなー、まだ時間あるか?」


僕は時計を確認する。

ウィルコさんたちがそろそろ帰ってきそうな時間だが、散歩をしていたというていを取れるから少し余裕がありそうだ。


「はい、少しなら大丈夫です」


僕らは人気が少ない場所を探して移動した。

路地裏になるが、きれいに清掃されていて危なさは無い所に辿り着く。


「もしかしたらだが、俺が拾ってきた話が関係してくるかもしれない」


リトさんはそういうと、鞄から黒ずんだ欠片を取り出し、僕に見せた。


「なんですかこれは?」


「それがな、これはもともとマズー霊石だったという老人がいたんだ」


「こ、これがですか?」


リトさんが話してくれた内容はこうだ。

カサオーから南へ向かい、少年ライブが勇者として旅出つ前に訪れていたであろう場所を訪れた。

そこは発掘作業などで出稼ぎに来る人が多かった場所で、今はもう空っぽになってしまったようで人は少なくなっていたとか。

なぜそこへ向かったのかというと、勇者になったきっかけの場所に何かあることに賭けたからである。

勇者になってからの事は事細かく文章化されており、すぐに確認できる。

その一連の流れに不自然な点は無く、勇者のその後に繋りそうなものは無いと判断した。

無論完全に否定できる根拠は無いわけだが、それを確認する手段も無い。

そうなればもはや、一流の新聞屋と元冒険家の探偵の勘で動いてみたというわけだ。

カサオーにはヌイさんが残り、ソリーサさんの所へは僕が行っている。なら最後の一人は可能性を追い求めるのもありかもしれない。

そして、それが見事功を成したのか?リトさんが見つけてきたのがこのマズー霊石だったと言われているものである。


「あぁ、どこで手に入れたのかと聞いてみたら、この場所で取れたものだというんだ」


「本当ですか?マズー霊石ってあの山脈でしか取れないはずでは?」


いや、実はもしかしてそうではないのか?

そもそも、その山脈にあることだって未だに謎のままになっていて、自然発生ではないかもしれないとさえ言われている。

条件が地層とではないなら、あり得る?


「と言っても大昔の話らしくてな。しかも、他の鉱石と違って加工できないから屑扱いだったらしい。

なにせ勇者が現れるより前の話だからな」


「屑ですか。でも、それを残している理由があるってことですよね?」


「そこだよ、俺が関係ありそうだと言っている部分は。なんでも、その屑を安値だが買ってくれるやつがいたらしいんだ。何に必要なのか聞いても教えてくれなくて、気になってこっそり見に行ったところ、これを投げつけてきたらしい。

むかついたから、今度来た時に投げ返すつもりだったんだってさ」


「手に入れたところまではわかりましたけれど、捨てずにいたのはなぜです?」


「物置に入れていたら、そいつが来なくなってしまって忘れていたんだとさ。

それから数十年、いつの間にか無くなっていた屑が、勇者の剣の原材料だとわかって回収したってわけ」


これだけ聞くと、とある老人の昔話で終わる。

これに僕が聞いた話を合わせると、わずかに見えてくるものがある。

たぶん、安値で屑を買っていたのは、勇者を連れ出した魔法使いと関係がある。

本人なのか、子孫なのか、ただの仲間なのか。まぁそこはあまり重要ではない。

マズー霊石の使い方を知っていて、集めていた。

何らかの形で魔法使いから勇者に渡され、それがさらにソリーサさんに贈られた。


さらに言うと、マズー霊石が原材料になるのは最古の魔導書に書かれていたと読んだことがあるが、その魔導書がどこにあったのかまでは知らない。そこもあえて載せていない可能性が出てくる。

あの魔法使いと関連がありそう、かつ、勇者関連の記事や書物に載っていない。この条件を満たすと途端にあやしくなってくる。


「一応確認しますが、マズー霊石で何かやっているところは見ていないのですよね?

本当にこれがマズー霊石なのでしょうか?」


「質感がまったく同じなんだってさ、劣化したものだけど俺が見てきたものとも同じだと思う」


ちょっと根拠としては弱いが、たくさん見てきた人と、元冒険家が言っているなら信頼してもいいかもしれない。


だとすると、気になることが1つ。

ボロボロになったマズー霊石と、黒ずんだマズー霊石の違いはなんだろうか?

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