0.教室
残酷描写ありです。
ヤメロ
ズシャッ
グアァアア
ギャアアア
意識が覚醒したのは、誰かの悲鳴が聞こえたような気がしたから。
目を開けた瞬間飛び込んできたのは、
赤、赤、赤、赤赤赤赤赤赤。
そこには血だまりが広がっていた。
「ぇ…」
頭が働かない。
床には大小様々なナニカが転がっている。人体模型だろうか。ここは理科室じゃないのに変なの。口角をあげてみるけれど引き攣れてうまくいかない。
机や椅子には生々しいなにかが付着していた。それらはスーパーの肉売り場で見かけるものと酷似していて…あぁ、これも人体模型の臓器かもしれない。
目をそらせば床に転がる生首の虚ろな瞳と目が合う。…だけど友達と同じ顔をしたそれを人体模型だと思い込むことは、もう、できなかった。
「ぃやぁ…」
自覚した瞬間、むせかえるような鉄の臭いが鼻を突く。
なぜ? どうして? 寝ている間になにが?
今すぐこの場から逃げ出したいのに体が動かない。
怖い。嫌だ。帰りたい。
酸っぱい液体が腹からこみ上げて床に手をつく。
気持ち悪い。まだあたたかい。やだ、やだやだやだ。母さん、助けて。