第九十二話
毎週木曜日に投稿します。よろしければ読んでみて下さい。
「そろそろ、外の世界に興味はないかな?」
ラーカッティア・ヌーがある日の仕事終わりに、そうリオンに声をかけてきた。
「外というと、街中を歩けるのですか?」
「左様、どうだね?」
ラーカッティア・ヌーの目はくるくると動き楽しそうだ。
「そうですね、この街がどんな所か見てみたいです」
「そうこなくては」
彼は足をパンッと叩くと、ついて来なさいとリオンに告げた。そして、フクシュマーを見つけると歩み寄った。
「フクシュマーさん、この子を明日借りてゆくよ」
「そうだね、たまには息抜きも必要かね」
「彼女はどうだね、良い絨毯職人になるかい?」
「腕はいいよ。もう小さめの玄関マットは一人で織れるようになったし、上々さ」
「それはなにより」
にんまりとラーカッティア・ヌーは笑うと建物の外に行くよとリオンに声を掛けた。
「今から、私の住む本館に行くよ。外に出るには色々と手続きがあるからね」
彼は一際高い建物を指差すとその方向へと足を進めた。
「ようこそ私の住処へ」
ラーカッティア・ヌーは扉を開け本館へリオンを招き入れた。
天井は高く様々な布で飾られていた。壁にも飾りがつき彩りを与えて賑やかだ。だが、ただの賑やかさではない一本通した彼の美意識が散りばめられているのだ。
「―楽しい所ですね」
リオンは、そうこの館の印象を表現した。
「うん、楽しいは僕の永遠のテーマだ。君は目がいい」
ラーカッティア・ヌーは嬉し気に頷いた。
「では、この部屋に入ろう。カーウェイクの街を歩くための儀式だよ」
彼はリオンをとある部屋へと導いた。




