第八十九話
毎週木曜日に投稿します。よろしければ読んでみて下さい。
「―さて、これだけ離れて漸くあなたとまともにお話しできる。今なら彼が表に出てこない」
アイン・フォードは、とある遺跡の前で、そうイリスに声を掛けた。
「・・・・・・」
イリスはその言葉で、アイン・フォードが自分と同じくエリアンが中に入っている事を理解した。
「私の中の彼はリオン様が居ると特に表に出てこようとするのです。だから、リオン様と離れる必要があったのです」
そう言うとアイン・フォードは静かに目を閉じた。
「彼はリオン様に意地悪をするのが喜びでもあります。例えば先程も、リオン様との別れの時、彼女に忠告をした後に続けて、励ましの言葉を口にしようと思っていたのに、彼に遮られてしまいました。リオン様は震えていらっしゃった。可哀想な事を」
そう語るアイン・フォードの表情は、怒っているようにイリスは感じた。
「あなたの中のエリアンも、いずれ身体を支配して行きます。心を強く生きなければ乗っ取られる可能性も」
驚くイリスにアイン・フォードは目をじつ・・・・・・と見つめて気をつけてくださいと言った。
「これから、支配してくるエリアンとの対応方法お教えする事と、あなたが見つけなければならないダルモンの追跡を遺跡を訪ねて調べます」
厳しい旅となります、覚悟してくださいと強くイリスにそう言うと、行きましょうかと、とある遺跡へと足を踏み入れた。




