第七十九話
毎週木曜日に投稿します。よろしければ読んでみて下さい。
「―暑い。喉が・・・・・・」
リオンは道半ばで、のどの渇きに悲鳴を上げた。考えて飲まない様にしても、やはり足らないのだ、水の量が。
「ど・・・・・・何処まで行けば・・・・・・いいのです?」
アイン・フォードに訊ねる言葉さえたどたどしい。
「・・・・・・」
リオンは背中をつつかれ後ろを見ると、イリスが自分の水筒を差し出してくれていた。
「・・・・・・ありがとう、イリス。けど、・・・・・・それを飲んだら・・・・・・あなたの分が無くなるわ」
「・・・・・・」
いいから、と少し怒った顔で弟は水筒を更に上に差し出した。
「けど、・・・・・・」
「いいから、飲んでください。このままだと、熱中症で倒れますよ」
「え?ねっちゅう?」
「イリス様には私の水を分けます」
「・・・・・・わかりました。ありがとうございます」
ありがとうとイリスに擦れた声で礼を言うと一口水を飲み込んだ。
「・・・・・・」
―生き返る、人は水無しでは生きて行けないのだとつくづく感じ入ったリオンは少し涙目になった。
「さあ、もう少し歩きましょう。その先に休む場所がありますから・・・・・・頑張りましょう」
その声でリオンは前を向き進まぬ足取りに力を込めた。




