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第七十八話
毎週木曜日に投稿します。よろしければ読んでみて下さい。
しばらく砂漠を歩き進めると、日が照りつけてかなり暑い。
―こんな場所で、一週間も歩き続けるの?
リオンは天を仰いだ。顔を上げたその時目の端に飛び込んだ風景に驚いた。
「イリス、あの山、銀青山によく似ているわね」
イリスはリオンが声をかけるより早くその山に気付いているようで、静かに小さくうなずいて見せた。
「アイン・フォード様、あの山は銀青山に似てますね」
「―あれは似てますが、違う山ですよ。これからいくらでも似た山は出てきますよ」
「そうなのですか、とても銀青山によく似ていたものですから」
「そうですか」
とアイン・フォードはそう言うと足を進めた。
彼の足取りはとても速い。リオンは砂に足を盗られ、ついて行くのがやっとだった。
「―・・・・・・」
―本当によく似ているものね。
リオンは再び銀青山によく似た山を見た。
・・・・・・これから色んな山を見る事になるわ。こんなの珍しくなくなるわね。
彼女はそう納得すると二度と振り返ることなく前に足を進めた。




