第七十七話
毎週木曜日に投稿します。よろしければ読んでみて下さい。
「―この砂の場所は砂漠と言って、雨が滅多に降らない過酷な場所です。この風景が一面しばらく続きます」
「そ、そうですか・・・・・・」
アイン・フォードの説明で、リオンは不毛な乾燥地の風景がこれから続くのかと辟易した。
―・・・・・・草も少ない。死の世界みたいだわ。
リオンは砂に埋もれた草を見て悲しくなった。
「―砂漠に遭難したら、動物の骨を辿ればオアシスに辿り着く。この地を行き来する旅人が言った言葉です」
「?オアシスとは何ですか?」
「砂漠の中に突然現れる水を湛えた楽園、だそうです」
「楽園ですか?」
「私もはっきりとは知らないのです。申し訳ありません」
「そうなのですか、素敵な所の様に感じました」
「旅人に聞いてみるといいでしょう。彼らがよく知っています」
「何処で出会えますか?その旅人とは」
「カーウェイクに行けば、彼らに会えるでしょう。旅人と言っても彼らはジプシーですから」
「ジプシー?」
「音楽と踊りで生活している人達です。街のどこかで円舞しているからすぐにわかりますよ」
「踊りと音楽で生きて行くなんて素敵です」
「そうですね。さあ、この水筒を渡します。一日これで乗り切るようによく考えて水分補給してくださいね。これから一週間はこの砂漠を歩きますから」
「・・・・・・」
リオン達は受け取った水筒を見ても、これが多いのか少ないのかも、わからずアイン・フォードを見上げた。
「少ないと思って下さい。かなり」
「わかりました」
リオンは実感のないまま生返事だけした。彼女は本当によくわかっていないのだ。これからの過酷さが。
「行きましょう」
アイン・フォードの声にリオンの顔が上がる。乾燥した風が吹き彼女の髪が舞った。
「・・・・・・」
リオンは黙って髪をフードに収めると埋まる足元を上げ砂漠を一歩歩いた。
―これは体力が必要だわ。
リオンは足に力を込め歩き始めた。




