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第七十三話

毎週木曜日に投稿します。よろしければ読んでみて下さい。

 「あなたが帰ったという事は、この子達とも、もうじきお別れかね」

ストリニキアはアイン・フォードにそう言い寂しそうに俯いた。

「後、二、三週間で彼らを仕上げて下さい。ティムレオンの出身と見れるように」

「寂しいものだ。いつも、情が移って離れがたくなる。いつもの事だが慣れんのう」

しおしおとした眉と髭を撫でつけて、イリス達を見るその瞳は慈しみが溢れていた。

「ストリニキア様、ありがとうございました。いつかきっと自分の居場所を見つけます、あなたが潮騒を見つけたように」

リオンはストリニキアの手を取ってそう誓った。

「うんうん、それは楽しみだ。そうなる事を願っているよ。しかし別れはいつでも悲しいものだ」

ストリニキアは寂しいのか、しおしおとした眉から髭を撫でつけ、如何にも泣きそうだ。

「まあ、まだ後二、三週間ありますから、別れには、早いと思いますが」

アイン・フォードにそう諭されると、そうじゃった!とストリニキアは泣き笑いをして見せた。

「よし、二人とも、より真からのティムレオンの民になれるよう、総仕上げといこう。今日の夜は厳しくいくぞ。覚悟しなさい」

キリっとしおしおだった眉を上げ、そう宣言すると、ストリニキアは教材をかき集めに動き出した。

「別れはいつもあんな風になる方です。気にしないで下さい」

アイン・フォードは二人にそう声を掛けた。先程の彼とは違い天使の彼は穏やかで優しい。なぜ悪魔のアイン・フォードが存在するのか、彼に問うたことがあるが、詳しくは言えないと悲しそうな瞳で答えてくれた。

―そんな顔されたら、もう何も聞けないわ。

リオンは彼の中に何が起こっているのか、本当は細かく聞きたいのだが、天使の彼を傷つけたくなくて、この件に関して何も聞けないのだ。

「・・・・・・?」

リオンの視線を感じたのか、アイン・フォードが首を傾げたが、リオンは慌てて何もないと両手を振って表現した。

「・・・・・・夜ご飯には、まだ早いですから、お茶でもどうですか?お菓子も簡単なものですが、ご用意致します」

少し冷静になったリオンはアイン・フォードにそう声を掛けた。

「そうですね。じゃ、お願い致します」

アイン・フォードはそう言うと微笑んだ。

「じゃ、用意しに行きます。イリス手伝ってくれるかしら?」

リオンのそう声かけられたイリスは、こくこくと頷き彼女の後をついて行った。


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