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第六十話

毎週木曜日に投稿します。よろしければ読んでみて下さい。

 「来なさい、イリス。この水の広がりは海。あなたの世界では無かったもの。けれども、この海こそが、この世界を占めるおおよそのものなのですよ」

空は月が満ち始めの色に染め上げられ、雄大に広がる水の流れの上にも光を落とし輝いていた。その光はイリスの額や瞳に映った。その光は照り返し白い光として暫しとどまった。

「―・・・・・・」

イリスはソルヴェイグを振り返り見つめた。彼は彼女の声を思い出していた。森の奥で聞いたその声を。あれはイリスの知るどの声よりも美しい響きだった。イリスは目の前に立つ伝説のような存在に心の高鳴りを感じていた。この人はどれだけの時間を知っているのだろう。彼女の持つ銀の輝きは、この世界では創りえないものを持っていた。時をかけてこの世界に現れ出た汚れなき輝きで、彼女の姿は過ぎ去りし過去の身映しのようだった。

―この人がソルヴェイグ、本当の姿なのだ。イリスは姉の事を気にかけた。この事実を知ったリオンはどんなにショックだっただろう・・・・・・。

「―何から伝えるべきでしょうか、イリス。あなたは多くの事をこれから知る事になります」

ソルヴェイグは言葉を選ぶように語り出した。




 「ダルモンについて、もう少し話しましょうか。本当の生き物のように彼女は動いていたでしょう?」

「・・・・・・」

イリスは、こくこくと頷いて見せた。

「私達の文明の賜物です。もう再び生まれてくることの無い種族を形どったもの達。それがダルモンと呼ばれる人形。遠い過去の幻影なようなもの。この世界になって、外の世界を歩く自由を奪われた我らにとって、なくてはならないものでした」

ソルヴェイグは静かに目を閉じた。



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