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第五十二話

毎週木曜日に投稿します。よろしければ読んでみて下さい。

「―そう。そして、彼らの嫌がる香りのものを身近に常に置いている。そうして、僕らは身を守っている。そして、ランドールで守るものが”闇”に堕ちる事のないように、常に見守ってきた」

「ランドールを守る?」

「商人と呼んでいるのはランドールの人々君たちだけだ。僕らはダラクの民という。森を歩きランドールに来る全てのものを排除し、ランドールを孤立させた者。ランドールが石を守っていたように、僕らはランドールの全てを守っていた。そして、学士達、イスターテは過去の知識の流失を防いでいた。この地に住む人々は何かを守る事を義務付けられていたのさ」

「―義務なの?」

「そう、他の土地はこのような決まりはない。この土地の決まりごとは稀有な事。それもこれもこの地が特別だったから、過去の呪縛に唯一囚われている場所なのさ」

「他の場所は違うの?」

「そうだよ。こんなに重々しい世界は他にはない。僕らは永遠の囚人だったのさ」

「囚人・・・・・・」

イリスは自分の口に言葉として出して、自身の置かれていた立場を振り返った。小さな窓から見下ろす小さい街中の眺め、あれがランドールでのイリスの全てだった。あれが、囚われていたという事か。

「まあ、僕が言った事は、これから他の世界を知ればわかる事さ」

「・・・・・・」

イリスが憧れていた外の世界。あれ程憧れていたものなのに、イリスはまだほんの入口のところで、ランドールに帰りたい思いの方が強くなっていた。

―これから、この地を離れる時に、ランドールに帰りたい気持ちが強くなるかもしれない。最後に見たランドールの風景。イリスは幼くして最高に美しい故郷を自ら手放してしまったのだ。

「―僕はもう一度森に入らないと、姉さまを森に置いてきてしまった。助けに行かなきゃ。シェルシードの事も気になる。トマ、君は一緒に来てくれるかい?」

「リオン様は大丈夫だよ。もうじきここにやって来るよ」

「え?君の仲間が助けてくれたの?」

「僕の仲間じゃない。イリス、君の仲間だ。イスターテの学士アイン・フォード様だよ」

そう言うトマの声はイリスには、途轍もない冷たい響きに聞こえた。

「アイン・フォード様?や、”闇”の者じゃないか」

イリスは素早く後退り、警戒の色を見せた。トマはじつとその様子を冷たい態度で見つめた。


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