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第四十六話

毎週木曜日に投稿します。よろしければ読んでみて下さい。

 イリスは駆け下りてきた道を振り返った。

「―」

リオンの姿は無い。森はイリスを暗く囲み、光の届かぬ世界に彼は追い込まれていた。

「・・・・・・ひかり」

イリスは太陽の光を求め森の薄い場所へと逃げ出した。

―何が間違ったというのだろう。時を遡りその原因を考えると、全てが自分の決めた事だった。過去の自分の声がイリスの心を更に重くする。どうして姉を止められなかったのだ?アイン・フォード様は本当に“闇”の者だったのか?

―何も考えのない子供だ、僕は。

イリスは今までの自身の考えを全て奥に押しやり、イシュマールやアリエンの残してくれた言葉に頼った。

素直な事は悪い事じゃない。しかし、時には考え、そのものが何であるものか感じるのだ。

―本当に何も感じようともしなかった。

見極めるのです。誰を信用し誰が何を考えているのかを。

―どうすれば見極めが出来るのだろう。僕は誰も疑いたくはないのに。

イリスが疑わなくてはいけない相手は全てイリスが愛する人たちだった。

―姉さまやアイン・フォード様を疑う事なんて出来なかった。僕には出来ない。

「―・・・・・・」

逃げ場を探し求めたイリスの心にランドールの風景が浮かぶ。

―故郷に戻りたい。いや、そんな事損を思っても、事態は収拾しない。イスターテの戻るべきか、金のネックレスの粒は見当たらない。姉達の元に戻るには遠すぎている。あてどもなく駆けてしまったから。

―どうする?森を歩けば、商人に助けてもらえるかもしれない。もう、自分では道は探せない。商人に出会うにはどうすれば・・・・・・。

イリスはそう考えながら、顔を上げて歩き始めた。


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