第十五話
毎週木曜日に投稿します。よろしければ読んでみて下さい。
イリスは部屋中に散りばめられた魔物から守ってくれているダイアドの香りの中で、毛布にくるまり横になっていた。ドアの外にはアイン・フォードがイリスを守る為、座って待機している。イリスの頭に渦巻くのは、アイン・フォードの言葉と母の謎かけ、影落とす黒い鳥の事、変わり始める周囲の出来事。考えは後から後から溢れ出しイリスの心をかき乱していた。あの平穏だった日々は戻って来ない。これから毎日のように不安と戦う日々が続いて行くのだ。イリスは予感めいたこの考えが確かなものとして離れない事にイラついた。イリスは無理やりこの眠れぬ気分を抑え込むように、毛布を頭からかぶり自身を落ち着かせた。
「・・・・・・」
イリスは先ほどからこみ上げる不安が、形を成して近づいてくる感覚におそわれた。そしてそれは、イリスの耳に聞こえてくるようになってきた。
キイキイと何かが軋む音がする・・・・・・。
「―・・・・・・」
イリスは毛布から顔を覗かせ音の正体を見極めようとした。イリスはそっと胸にある守りの印が入ってある包みを握りしめた。その小さな存在は本当に自身を守ってくれるだろうか・・・・・・。自分を守る為にした儀式の花や水は本当にこの者に効果があるのか。アイン・フォード、彼が守ってくれるはず。
「アイン・フォード様、助けて・・・・・・」
イリスの声はかすれ、深い闇に消えてゆく。その時、それはイリス目がけて飛びついてきた。
「―!!?」
イリスは声を上げることなくその場に崩れ落ちた。




