第百十七話
毎週木曜日に投稿します。よろしければ読んでみて下さい。
「あなたの右の足の踵にある印が問題になりまして、次期王妃の話し相手という事に収まりました」
「え?どういうことですか?」
「・・・・・・まさか、王の印を受けるとは思わなかったものですから」
「この痣が問題なのですか?」
「その印ある者、アリスタジオールに着いたら王室にて囲わられなくてはいけないという掟がございます」
「そんな・・・・・」
リオンは自分が安直な判断をしてしまったのだ、と深く反省をした。トマはあんなに簡単に言っていたものだから、つい言われた通りにしてしまった事に今更ながら激しい後悔が彼女に沸き上がった。
「―私が今まで、修行してきたものは何だったのですか?」
リオンはあの声以外は辛くはなかったが、それなりに大変だった修行が、これまでの積み重ねてきたものが一気に役に立たないとあっては、何のための修行かと憤りを感じた。
「申し訳ありません。その痣さえ作らなかったら、ちゃんと絨毯職人の工房で働くことになっていたのですが・・・・・」
「そんなにこの痣が駄目なのですか?」
「ええ、次期王妃の管轄になってしまいまして・・・・・。迂闊でした」
アイン・フォードはそう言うと辛そうに下を向いた。
「・・・・・もう仕方ないですね。あなたに不満を言っても、どうしょうもない事です。私の方が迂闊でした。トマの言う通りにしてしまった私が悪いのですわ。さあ、そんな顔なさらないで、行きましょう。次期王妃の居る所へ」
リオンはそうきっぱりと言うと戸惑うアイン・フォードを見た。
「―あなたは相変わらず潔いですね」
「そうですか?」
「ええ、物事に対する姿勢が清々しい。・・・・・それでは、行きましょうか」
アイン・フォードはそう言うと、リオンの手を取り次期王妃の所へと案内した。




