第百八話
毎週木曜日に投稿します。よろしければ読んでみて下さい。
リオン達の旅が始まった。リオンは旅の間、オアシスで別れたアラファント・イージスの言葉を繰り返した。
「あんたと私はここで別れるけど、心はいつもあんたの傍に居るよ。空を見て、同じ空を見ていると繋がっていると感じるだろう?私達は又会えるさ、いつか」
―そうね、いつか会えるわ。リオンは何回も空に向かって、彼女に返事をした。そうする事で彼女に伝わる気がしていた。
「銀青山のそっくりさんも見納めね」
リオンは砂漠の中の銀青山のよく似た山を見てさよならを言った。
「これから、雪山に行きます。服装をそろえる為、この先にあるバノンの町へ立ち寄ります」
アイン・フォードが二人にそう言った。
「雪山に行くのですか?」
リオンは又過酷な旅になりそうだなと身構えた。
「ええ、その先にアリスタジオールがあります」
「そうなのですか、バノンの町はどんな町ですか?」
「山の谷にある小さな町ですよ。毛皮などの防寒具が揃う事ができるのです。どこか、ランドールに似た料理もありますよ」
「ランドールに?じゃ、じゃがいも料理とかあるのでしょうか?」
「ええ、確かあったかと思います」
「そうですか、楽しみです」
リオンは微笑み、故郷の味が少しでも感じられることに喜びを露にした。
「あの山脈の方に町があります。行きましょう」
アイン・フォードは指を指し示すと、それ以降話すことも無く歩き続けた。
「あの山脈の向こうには何があるのかしらね」
リオンはイリスに話しかけた。まだ遠くに見える山脈に思いを馳せた。
「・・・・・・」
イリスはそんなリオンに、ただ優しく微笑んで見せた。
彼らはさらさらと流れる砂漠の土を踏みしめて、バノンの町へと進んだ。




