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第百五話

毎週木曜日に投稿します。よろしければ読んでみて下さい。

 「そういえば、あなたはどうしてオアシスに?」

リオンはアラファント・イージスに質問してきた。

「ここは、カーウェイクの街を出たらすぐに寄る場所なんだよ。私ら旅人はオアシスや生きるためにこういう場所を確保しているのさ」

「カーウェイクの街を出るって、いつそんな事に?私聞いてないわ」

「やっぱり、私の言う事聞いてなかったんだね。カーウェイクに居る時に言ったよ、ちゃんとね。けど、あんたは心がここにあらず状態だったからね」

「そうだったの、ごめんなさい。私危険な目に遭いそうだったから、その事で必死だったから・・・・・・」

「あんたがそんな目に遭いそうだったのに、気が付いてやれなかった。こんな危険な行為を止めさせられたのに、すまない事をしたね」

「ううん、私が馬鹿だったの、あなたに頼ればよかった。あなたなら何も言わずにカーウェイクから外へ出してくれていたわ、きっと」

「もう済んだことさ、無事で何よりだよ。身体が休まったらカーウェイクに戻るといい、みんな心配してたらしいよ。なあ、アイン・フォードさん」

「ええ、リオン様の体調が戻り次第ここを発ってカーウェイクに向かいます」

「・・・・・・!カーウェイクには戻れないわ私。捕まってしまうわ!生き血をすすられるわ」

リオンは急に身体を振るえさせ怯えた。

「リオン様、誰にもあなたがイスの地の者だと知りません」

アイン・フォードが震えるリオンの肩を両手で掴んでみせた。

「だって、私聞いたのよ。私がイスの地の者だって言ってたのを。美味そうな腕だって笑ってたわ」

「それは、あんたがラニエーに囚われてしまっていたからさ」

「ラニエー?」

「この世に漂う高度な精神の霊といったところかね。古代の人種の霊とも言うね。人の心に囁きかけたり、その人の不安を増幅させて楽しむのさ、あいつらは」

「じゃ、私が耳にしたのは嘘なの?」

「そう、全部幻聴。あんたの心が作り出した嘘の世界さ」

「私、わたし・・・・・・捕まって殺されるのかと、イスの地の者だなんて知れたら・・・・・・」

リオンは心の底から深い溜息を吐いた。

「・・・・・・!私あなたにイスの地の者って知られてしまったわ。誰にも言わないで、お願い」

「あんたがイスの地の者でも、私には関係ないよ。金に興味ないし、長生きもする気も無いしね。安心しな、誰にも言わないから」

「―ありがとう」

リオンは心から感謝した。リオンは彼女の手を握り自分の額に付けひたすら礼を言った。誰にも言わない、そう言ってくれたアラファント・イージスの心根に深く深く感謝するしかなかった。


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