第百三話
毎週木曜日に投稿します。よろしければ読んでみて下さい。
「・・・・・・光?」
リオンは光が自分にあたっている事に気付いた。目を開けるとそこには、自分が最も会いたかった弟のイリスが目の前に。
「イリス・・・・・・イリス」
リオンは弟を抱き寄せ涙を流した。ああ、どうか夢なら覚めないで・・・・・・。
イリスはリオンを抱きしめ返してくれた。姉を落ち着かせようとしているのか、背中も優しく摩ってくれている。
「・・・・・・イリスこれは夢なの?姉さまの夢?」
「・・・・・・」
イリスは首を振りリオンの言葉を否定した。
「―!本当にイリスなの?」
リオンは目を見開いた。目の前には現実にイリスがいる。イリスがいるのだ。
「イリス、本当にイリスだわ」
リオンの視界は涙で溢れ止めどなく、彼女は嬉しさのあまり泣き笑いをし始めた。
「イリス、姉さまは嬉しくて涙が止まらないわ、うふふ。あなたの顔が見たいのに、よく見えないわ」
「・・・・・・」
イリスはリオンの涙をハンカチで拭ってやった。
「ありがとうイリス」
リオンはイリスに笑顔で礼を言った。久しぶりにした、とびきりの笑顔だった。
「・・・・・・」
リオンの笑顔の先に、一人の男がこちらの様子をじっと見ているのが目に入って来た。
「アイン・フォード様・・・・・・」
リオンは彼の名を呼んだだけで、彼の瞳をただ見つめた。
―透き通った水色の瞳。この瞳にどれだけ見つめられたかっただろう。その唇でどれだけ名を呼んで欲しかっただろう。その手でどれだけ触れて欲しかっただろう。
「―・・・・・・!」
リオンは感情を抑えられずにアイン・フォードの方へと駆け出した。そして、彼の胸に飛び込み頬を埋めた。
「ずっとお会いしたかったのです」
リオンはそう言うと糸が切れたように気を失ってしまった。
「リオン様?」
アイン・フォードが見つめるリオンは幸せそうな表情で眠りについていた。彼はそっとリオンの頬に流れた涙を拭ってやった。イリスはやれやれと肩をすくめて立ち去って行った。
「今まで、ご苦労様でした」
アイン・フォードはリオンにそう声を掛けると優しく彼女を抱きしめた。




