第百二話
毎週木曜日に投稿します。よろしければ読んでみて下さい。
「私は何処へ行けばいいの?もうわからないわ」
リオンは身体中がカッカッと燃えるような感覚に陥り、カラカラの口から微かに息を吐いた。
―その時びゅうと風が吹いた。
「・・・・・・!これは?」
リオンの足元に動物の骨らしきものが見えた。あれだけ探したオアシスへの道しるべがここにある。
「けれど、どっちに行けばいいのかしら?何処に行けと矢印があるわけじゃないわ」
リオンは困惑して砂丘を見渡した。すると、とある砂丘の頂点部分に骨らしきものを彼女は見つけた。
「あったわ!あった」
これで道しるべが見つかったとリオンは動物の骨の方向へと向けて歩き出した。
「こっちがオアシスの方向なのかしら?」
わからないままリオンはその方向へ進む事にした。
―数時間ほど砂漠を歩いたが、オアシスは見えてこない。骨もあの二か所しか見ていない。本当にこの先にオアシスがあるというのかしら?リオンは先に進む度に不安が募った。
びゅうとつむじ風が舞う。何か暗い気配を感じたリオンは後ろを振り向いた。
「砂嵐だわ」
砂を巻き上げ、それはリオンの方向へと向かって来る。
「ああ、どうしよう。もう逃げるところは無いわ。このまま、砂に埋もれていくのかしら」
リオンは嘆いた。
ごう、と音を立てて砂嵐はリオンの元へとやって来た。砂で身体を叩かれながら、リオンは砂嵐の向こうにオアシスを見たような気がした。
「・・・・・・」
しかし、リオンの気力は既に尽きてしまい、砂の中へと倒れてしまった。
砂嵐はリオンの身体を砂に埋めて通り過ぎて行った。
―このまま、死んでしまうのね、私は。
リオンの脳裏には只々一人の男とたった一人の弟の姿が浮かんでいた。姿が思い浮かべただけで幸せ・・・・・・。良い夢を見たわ。
「・・・・・・」
リオンの記憶はそこで途絶えてしまった。




