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一日ごとにデレていくツンデレちゃんのSNS日記  作者: 抑止旗ベル
1章 ツンデレちゃんはまだ他人
8/25

4日目 ツンデレちゃんの人間観察(日常パート)

 ヤバい。

 どうやら完全にやらかしたらしい。

 現在、2時間目の最中なのだがまったく授業に集中できない。

 何故なら。

 朝からずっと九条凛音に睨まれているからである。

 怖い……。

 なんか普段より目力が強いというか、意識的に俺へ視線を集中していることがヒシヒシと伝わってくる。

 これはもう完全に、昨日の対応をミスってしまったせいだろう。

 俺はこのまま「つまんない奴」としてカースト上位集団のおもちゃにされて、その流れで周りからの評価も下がって流動的にジ・エンド。

 ありえるな……そんな最悪の未来も。

 そんなことを考えている間も、九条は俺を睨んでいる。

 ポジティブに表すなら「見つめている」という言い方もできなくはないが、やはりそれは希望的観測だろう。

 休み時間にスマホを眺めている時はもっと柔らかい雰囲気だから。

 はぁ……どうしよう。

 すっげぇこっち見てるな。授業中だけど黒板見ないで大丈夫?

 ……あー、そっか。たしか初日に勉強は得意って言ってたっけ。


   ↓


「ん、どうしたの那珂川? なんか元気ないねー?」


 昼休み。

 とある事情により心休まらないランチタイムを過ごしていた俺へ、亜桜綾香は不思議そうに問いかけてきた。


「いつもよりどんよりしてるけど……体調悪いの?」

「いや別に、なんともないさ」

「ほんと? あ、そうだ。お昼一緒に食べてあげよっか?」

「いやいい。亜桜と食べてると相槌ばっか打たされて食事が進まないから」

「もー、なにそれー。私と一緒にランチできるなんて、那珂川以外にとってはすっごく光栄なことなんだからね?」

「流石に「俺以外」は言い過ぎだろ」


 亜桜が人気者であることは否定しないが、そこまで貴重な機会ではない……はずだ。


「しかしいつものことながら、お弁当おいしそうだねー」

「そりゃどうも。でもやらないからな」

「ねぇねぇ、卵焼き1個ちょーだい?」

「……聞いてた?」


 ほんの1秒前の俺の言葉。


「いいじゃん、最近いくら食べてもお腹空くんだよ私ー」

「食べ過ぎると太るぞ」

「その分運動するから平気。はい、あーん」

「…………まったくもう。ほら」


 俺は諦めて箸で卵焼きを取り、口を開けて待つ亜桜に与える。


「んー、おいしー! 那珂川の卵焼きはホント絶品だよー!」

「そりゃどうも。さぁ、食べたんだったらおとなしく退散し――」

「ねぇねぇねぇ、もう一個だけ、ね?」

「……いや、もう帰って?」

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