3日目 ツンデレちゃんの作戦会議(日常パート)
「おはよう、那珂川」
「ああ、おはよう」
先に教室にいた俺に挨拶をして、九条は自分の席に腰を下ろした。
今のところは毎日(といってもまだほんの2日だが)挨拶をしてくれている。
なんか意外。カースト上位の女子ってもっと怖いイメージがあった。
昼ごはんの時もキチンと手を合わせて「いただきます」って言ってるし。
「しかしあれね、今日もいい天気ね」
「そうだな、最近は暖かくなってきたし」
「でも私、花粉症なのよね。寒くなくなるのは嬉しいけどなんか複雑」
「あー……辛いなそれは」
なんとなく分かるわ。
ウチの妹も花粉症だからこの季節はいつも憂鬱そうにしている。
「ほんっとにもう、マスクなんか余裕で貫通するから。花粉って」
「キツいよな、花粉症は」
「まあ、そうね。…………うーん」
「?」
九条は何かを考えるように首をかしげた後、尋ねるような口調で言う。
「もっとこう、他になにか言うことない?」
「……他に?」
他にってことはつまり、俺の相槌が九条にとって満足のいくものではなかった、と?
要するに、もっと面白いことを言えと……⁉
いや、花粉症トークでこれ以上盛り上げろっていうのは無理じゃないですかね……。




