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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

あなたにはわかる

作者: 田端 清吾



僕は無力ではない。受験を経て入った場所は誰でも行けるようなところではない。募金もしたことがある。

僕は醜くない。昔は「かわいい」という言葉を何度も喰らって、男のくせに嬉しがっていた。

僕は暗くはない。色んな人と話したことがあるし、近くにいる人とも遠くにいる人ともいつも話している。


これは本当の自分だ。自分から見る自分で自分の思う自分だ。


僕は無力である。自分は何にもできない。自分ができることは誰にでもできる。自分にできないことは誰かができる。

そんな世界が目の前にあるらしい。

僕は醜い。自分の周りを見ろ。目の前の板を少し弄ってみろ。自分なんかよりはるかに輝いていて白い人形がそこにいる。

自分と同じ生物らしい。

僕は暗い。涙は出ないし笑いは出ない。悲しくはないけど何かがわからない。

自分がしていることは自分が生きていられる時間に含まれているらしい。


これは本当の自分だ。自分から見る自分で自分の思う自分だ。



簡単に音はできる。


音で気持ち良くなるなら勝手になればいい。


振動で自己満足を得ているだけだろう。

段々と大きく揺れて擦り潰される。


漠然と生きているのは正しいのか。

一生懸命に生きるのは正しいのか。

人と一緒に生きるのは正しいのか。

死ねないで生きるのは正しいのか。

悩みながら生きるのは正しいのか。

正しいまま生きるのは正しいのか。

正解を知らない自分は正しいのか。


息を吐き、吸うことは正しいのか。

鼓動が激動することは正しいのか。

血が流れていることは正しいのか。

欲求有無があることは正しいのか。


何をそんなに必死になって生きることを説得しているのか。

何をそんなに消えることを悲しんでいるのか。

何をそんなに悔恨を抱いているのか。


何でこんなに楽になったのだろうか。

何で周りの人が気になっているのだろうか。

何で何も、何を考えられるのだろうか。



何をしてしまったのだろうか。



わかった。

僕は正解がわかったよ。

でも、これは正解じゃないらしい。

またわからないことができた。



君はわかったのかな。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 「正しいのか」と問う部分、「正しいまま生きるのは正しいのか。正解を知らない自分は正しいのか。」はどうだろうなぁと考えさせられました。全部まで自分にはわかりませんが、とても興味深く拝読しまし…
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