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倒れたマーベラスに、会場から多くの声援が贈られる。
ヒーローを信じる少年達の泣き声交じりの檄が飛ぶ。
「立って! 立ってよ、マーベラス~」
そんな中、胡桃は、祈りを捧げる。
「神様、どうか、勇気君を助けて下さい」
そう、胡桃には分かっていた。
リング上で戦う正体不明の英雄の正体が。
「勇気君、私に心配かけないように、黙っていたんだよね? でもね、分かるの」
危険な戦いは止めて欲しい、でも、始まったしまっては止められない。
彼女は、渾身の力を振り絞って叫ぶ。
「立って! 立つのよ、勇気!」