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知る術のないループ

作者: 島ちゃん

僕はいつも通りゆっくり学校に向かう。学校までは信号を3つ挟んだ距離で直線の道のりである。だから急ぐ必要のない時間に家を出てゆっくり登校する。いつもならそれで問題ない、しかし今は問題ありなのだ。おばあさんが車に轢かれそうになっていた。僕は咄嗟に助けに行く、何も考えずにただひたすらに急ぐ。その判断が正しかったのかギリギリ間に合った。特に怪我もなく運転手とも上手く話し合いが終わり平和的解決が出来た。こんなことは初めての出来事で心臓がバクバクしていた。学校に着いた頃には少しずつ落ち着きいつもの生活を送っていた。家に着けば疲れていたのかすぐに寝てしまった。起きたのは7時20分。僕は夜のだと思っていた、しかし外は明るい。それは朝という時間を指していた。こんなに寝ていたのはめずらしい。そんなことを思いながら準備を始める。ふと、手の甲に痛みがあった、見れば数字の2が痣のようにできていた。なんの数字だ?どうして出来た?などと考えたが結局よく分からなくて考えるのをやめる。そして家を出て学校に向かう。2つ目の信号につく頃昨日の事故未遂を思い出した。そんな時昨日見たような光景を見てしまう。おばあさんが轢かれそうになっているのだ。なんで?、一瞬そう思ったが体が助けるためにすでに動いていた。またギリギリ間に合った。良かった、2日連続で起こることも凄いがそれを助けた僕も中々凄いな、と自分を褒めていた。この時は楽観的すぎたとあとで思うのだ。家に着けばまたすぐに眠ってしまう。疲れているんだろう、深く考えることなく眠りにつく。目覚めたのは昨日と同じ時間。ようやく異変に気づいた、全く同じことが起こっている。ただ変わっていたのは2の痣が1に変わっていたこと。僕はこれが連続で起こる出来事のカウントダウンだと思った。つまり今日繰り返せば明日からはいつものように戻れるのだと。そして家を出る。2つ目の信号が見えてきた。僕の考えが正しければもうすぐ事故未遂が起こる。そしてそれはしっかりと起こった。でも僕は連続で繰り返し助けている、だから間に合う。そんなことを考えながら助けに行く。僕はおばあさんを助けた。しかし僕は車に轢かれたのだ。どうしてだ?いつもは間に合っていた。なんで今日はいつもと違うのか?意識のあるうちに考える。意識が無くなり僕は死んでしまったのだ。僕は事故未遂の出来事が起こる回数だとあの痣の数字に重ねていた。それが間違いだった。自分の命のカウントダウンだったと死んでから気づく。助ける直前間に合う、いつも助けていると余計なことを考えていたから助け出す時間が遅れたのだ。だから間に合わず死んだ。じゃあなんで事故未遂の日が繰り返されたのか、それを知る時は来なかった。

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