夏休みの予定。
初めて感想を頂きました!
今後も励みます!
「え? 行けなくなった?」
「補修だとさ……」
今日は終業式。明日から夏休みが始まるウキウキの日のはずなのに、裕一はこの世の終わりだという顔で意気消沈していた。
「よりにもよってサマストの日時と被るなんてあるかぁ!?」
「確かにそれは不幸だけど、元はといえば補修になるお前が悪い」
「そうだけどよ~……あー、くそ。チケットもホテルも確保済みだったのに……」
「チケットはともかく、ホテルはキャンセルできないのか?」
「行けるだろとおもって出来ないとこにしちまった……格安とはいえ、ドタキャンなんてしたら申し訳ないよなぁ」
仕方ないとはいえ、困ったことになった。
裕一はせめて僕だけでも行ってこいと言うけど、それでも一人分のチケットは無駄になってしまう。他に誰か代わりを誘うとしたら……。
(……)
一緒に行きたい相手は、思い浮かんでいた。
「なぁ、裕一……チケット、二枚とももらっていいか?」
「構わん、無駄になるより良いや。誰か誘う宛があるのか?」
「あぁ」
☆☆☆
「心優さん、あの」
「ん? どうしたー」
終業式は昼で終わるので、僕たちもそこから部室に集まる。夏休みの間、活動はどうするかを話し合っていた。そんな中、僕は心優さんに一つの提案を申し込む。
「心優さん、サマスト……一緒に行きませんか?」
僕は事情を説明した。一緒に行くはずだった奴が補修で行けなくなり、チケットが余ったこと。
「チケット代とホテル代は必要ないから、移動費だけなんとか出来れば、心優さん行けるかなって……」
「いいのか? 確かに、それならなんとかなりそうだけど……」
すこし考えてから、心優さんはうん、と頷く。
何故か、僕はこの時そわそわしていた。
「せっかくの機会だしな。よろしく頼む」
「はい!」
こうして今年のサマストは心優さんと一緒に行くことになった。裕一には悪いと思いつつ、今から楽しみが増えたなと思えた。お土産、買っていってやらないとな。
でも、一緒に行けることはいいのだけど……なにか、気にしないといけないことがあった気がする。
でもまあ、いっか。
☆☆☆
「あ、そういえば……タンゴにホテルの事なにも伝えてなかったな。ま、相手もどうせ男だろうし。いいよな、ベッド一つでも」