夏休みの予定。─愛澤心優の場合─
短いです。
終業式、明日から夏休みというタイミングで信吾から話があった。
「心優さん、サマスト……一緒に行きませんか?」
歳下の同級生はもじもじしながらそう言った。以前に金銭面の問題で断ったはずなんだけど。
それでも話を最後まで聞いてみると、一緒に行く予定だった奴が行けなくなったこと。チケットが余っていて、ホテル代もださなくて良いとか。
確かにありがたい。
私もサマストには行きたかったし、断る理由もなかった。信吾となら楽しいだろうし、誘いには即決でOKするつもりだったのだけど。
(なんでこんな不安そうな顔してんだ?)
どことなく安心してないそわそわしたようか表情。まさか断られると思ってるのか、そんなわけないのに。こいつ本当可愛いな。
もったいぶっていじめてみたい気持ちもあったけど、今回は勘弁してやろう。
「せっかくの機会だしな。よろしく頼む」
そう答えると、信吾は笑った。
☆☆☆
特に不安になったり、困ることもないけど今更ながらホテルの部屋について考えた。
元々は男同士が止まるつもりだったんだろうし、部屋は一つかもしれない。信吾の事は信頼しているから、間違いはないだろうけど。
「ま、ベッドは二つあるだろ」
そして時間は流れて……サマスト当日となるのだった。