オオカミたちの意外な行動
オオカミを配下として従えたフェンリル。
僕らを襲ってくると思いきや、オオカミ同士で話を始めた。
「ガルウ!(まずは自己紹介だな、俺はフェル。人間を根絶やしにするのがこの島での目標だ)」
「ガウ!(へい親分!)」
「ガルウ!(親分はやめろ、せめて兄貴にしてくれ)」
「ガウ!(へい、兄貴!)」
「ガルウ!(ところでお前ら? 腹が減ってないか?)」
「ガウ!(もう、ペコペコですね。早く人間を食いましょう)」
「ガルウ!(まあ、まて。あんな砦を作る人間を狩るのは空腹では無理だ。腰を落ち着けて攻略するぞ)」
「ガウ!(へい)」
「ガルウ!(ということでな、そこのお前!)」
フェルは一匹のオオカミの首根っこを咥える。
「ガウウ?(な、なにするんですか? 兄貴!)」
「ガルウ!(飯の魚をとってこい!)」
「ガウウ!(ひえー!)」
ぽちゃん!
フェルに海に放り込まれたオオカミは泳げないらしく手足をバタバタとバタつかせる。
海水も飲みまくりで見てられない。
「ガウウ!(なっなにするんですか! 溺れる! 溺れちゃう!)」
「ガルウ!(オオカミのくせに泳げないのかよ……仕方ねーな)」
あまりにも情けない姿をさらす部下を見てフェルは呆れかえる。
フェルは溺れるオオカミを浜に揚げると自分で魚をとり始めた。
次々に浜に打ち上げられる魚たち。
まるでクマが鮭を取っているような感じだ。
「ガルウ!(まずはそれを食って腹ごしらえをしろ。戦いはそれからだ)」
「ガウ!(兄貴、ありがとうございます!)」
*
僕はとんでもない物を見ていた。
オオカミたちが魚をとって食べていたのだ。
オオカミを飢え死にさせる作戦は早くも破綻。
まさに想定外!
港を作ったことが災いした。
こんなことが起きるなんて……。
もっと早く気が付いていれば港を壊しておくべきだった。
いや、そんなこと思いつかないだろ。
オオカミが魚をとるなんて聞いたことが無い。
それをやるのが知性のある獣のフェンリルだった。
これから僕が戦う相手はタダの獣ではないことを痛いほど思い知らされた。
新作の連載を始めました。
幸運の錬金術師 - 最強錬金術師は雑草からもポーションを作れる! ※ただし偽造ポーション製造の罪で牢屋にぶち込まれました。
錬金術士を始めたばかりの少年が幸運の実を食べたことで幸運のステータスが爆上がりしてハイクオリティー品をぽこじゃが作って悪役をザマァする話です。
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