マナケイン
僕に文句を言ってきた、大黒のおっさん。
でも、なんで怒ってるのかわからない。
「騙したって、何をだましたというんです?」
「これだ!」
おっさんは僕の目の前に何かを叩きつけた。
それはマナケインの束だった。
「これにはちっとも魔力が込められてないじゃないか! こんな物じゃエリクサーどころかハイポーションも作れないぞ!」
「えっ?」
「おっちゃんがお前らのことを気づかってこんなに面倒見てやってるのに……偽物を渡しやがって、ゆるさん!」
おっさんは身体をブルブルと震わせ、今にも掴みかかってきそうな勢い。
僕は必死になだめた。
「これは間違いなく、この畑から採れたものですよ。それに、僕らが使おうとしていた物をおっさんが無理やり持って行ったんじゃないですか」
「そういえば、そうやったな」
僕の説明で騙す気が無かったことに気が付いてくれたのか、おっさんは落ち着いてきた。
でも、何か納得いってない感じにも見える。
おっさんは、何かを思い出したのか頭を抱えてじたばたし始めた。
「あーあ、大口の契約結んだ後にマナケインを渡せないとなったら、わいの評判はガタ落ちだわ。どうする? どうすればいい?」
しばらくすると、動きがピタリと止まり笑顔を見せた。
「せや! 検査のミスってことも有るな。もう一回魔道研究所で検査をしてもらおう! てなわけで、マナケインを貰っていくで!」
そういって、畑に植わっているマナケインから5本ほど引っこ抜いて持って帰った。
目の前にはおっさんから返品されたマナケインの束。
「これどうする?」
「困りましたね……このままでは腐ってしまうから、砂糖を作るしか無いですね」
困ると言いつつ、ニコニコ笑顔にミーニャ。
きっと搾り汁を舐めたいんだろうな。
こんなにあるし、存分に堪能させてやるか。
「じゃあ、僕はクルミとクリを植える作業に戻る。悪いんだけどミーニャとユグの二人でケインを搾っておいてくれないか?」
「わかりましたのです」
「じゅるり! 腐ってるかの確認で、少しぐらい味見してもいいよね」
ミーニャさん、搾り汁を飲む気満々ですね。
僕はあえて突っ込まず、二人を搾り器の置いてある粉ひき小屋に置いて植林に向かう。
*
植林作業を終えて小屋に戻ってくると、とんでもない事が起きていた。
二人が小屋で倒れていた。
しかも熱があるのか、顔が真っ赤で息も荒い。
一体、小屋で何が起きたんだ?
「どうした?」
「ミーニャ! 大丈夫か!」
「ユグ! どうしたんだ?」
僕は二人を揺さぶり続けるが、目を開けることはなかった。
大黒のおっちゃんに年賀状やお年玉代わりにレビュー書いてくれてもいいんやで^^^
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