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かみさまスコップ ~神器で始める開拓農業ライフ~  作者: かわち乃梵天丸
第八章 おっさんと始める無人島生活
82/102

おっさん再び

 夕


 ケインの収穫が始まった。

 茎から植えたものはまだ育ち切っていなかった。

 でも、前日に種を植えたケインはいい感じに育っていた。

 

「随分育ちましたね」


 穂を垂れ下げるぐらい種もずっしりと実っている。


「いい感じだな。これなら収穫できるかな?」

「今が一番の収穫の時期なのです」


 ユグのお墨付きが出たので早速収穫。

 ちょっとしたケインの茎の束の山が出来た。

 種は夜にでも取って、明日の朝に撒いておこう。


 それから陽が沈むまで、手の空いたスライムさんと植林をして居ると大黒のおっさんがやってきた。

 今度はちゃんと港に停泊している。

 タワラホーバーに乗って、猛スピードで山道を突進してくるのが見えた。


「どやどや、兄ちゃん。マナケインは収穫できたか?」

「ええ、ついさっき収穫したところです。結構な数が取れました」

「そかそか。じゃあ、買い付けや」


 おっさんにケインの束を見せるととんでもないことを言った。


「ほな、そこに束ねているやつは全部貰ってくわ!」

「全部ですか?」

「おう。全部買い取って構わないだろ?」

「パン作りの材料に使おうと思っているので、少し残して欲しいんですが?」

「あっかーん! こんな貴重品をパンに使ったりしたらあかん!」

「貴重品?」


 おっちゃんは誇らしげに語りだした。


「このマナケインを魔道研究所で魔力測定したところ! なんと! エリクサーの基剤にも使える魔力を蓄えてるそうだ!」

「エリクサー?」


 エリクサーと言えば、えらく臭くて糞苦い回復薬。

 飲めば、死にかけの老人でも、一時的に20歳の青年ぐらいに若返ると言われている伝説の霊薬だ。

 不老長寿の薬として、時の権力者が奪い合ったとの話もある。

 そんなものになる基剤か。

 とんでもないケインがユグドラシルからもたらされたな。

 僕の親父が知ったら、海を走ってこの島にやって来るかもしれない。


「まあ、マナケインはエリクサーの素材の一つだから、他にもっと貴重な素材が要るんやけどな」


 大黒のおっちゃんはふんぞり返って「がははは!」と大笑い。


「畑にまだまだ生えてるのがあるから、ええやろ? おっちゃんわざわざ遠くから買い付けにして、腰が痛くて死にそうだわ。全部譲ってくれるよな?」


 そういって顔をずいと寄せてきた。


「ええ。まあ……」


 物凄い勢いでケインの束の山を背中に背負った袋にぽいぽい入れるおっさん。

 さっき腰が痛いと言っていた設定はどこにいってしまったんだろう?

 なんか強引に買い取られることになった。

 まあ、買い取り金額は一本1万ゴルダなので、むしろ感謝している。

 総額182万ゴルダの収入。


「せやせや、忘れとったわ」


 そういうと、おっちゃんは背中の袋から、袋を取り出し僕に渡す。


「うさぴょん、おるか?」

「ちょっと出掛けているというか、またサメに追われて行方不明です」

「あれま。せっかくおいしいキャロータの種を持ってきたのにな」


 袋の中身を見ると、色々な種の入った小袋が入っていた。


「カトフー、コール、ソジャ、カスターニエ、ワルヌスや。あと、頼まれていたキャロータの種も持ってきたぞ」

「ありがとうございます」

「兄ちゃん、他に必要な物があるか?」


 必要な物か……ポーションづくりの道具が欲しいな。

 薬草は順調に増えてるけど、ポーションを作れないので扱いに困っている。


「そうですね……ポーションづくりの道具と、容器になる小瓶を沢山欲しいです」

「そうか、じゃあ、端数の32万ゴルダでおっちゃんがなんとかしたる」


 大黒のおっさんはそういって船へと戻って行った。

 かみさまポイント

 ――――――――――

 繰り越し 110ポイント

 ―――――

 支出

 なし

 ―――――

 収入

 なし

 ――――――――――

 合計 110ポイント



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