ケインの株分け
朝
翌朝、日課のお祈りを済ます。
その後は、待ちに待ったケインの作付けだ。
水に漬けて一晩置いたケインの茎を取り出す。
茎から小さな根が出始めてる。
これならすぐに畑に根付きそうだ。
早速畑に植えることにした。
水やりをすると、すぐに芽が出た。
さすがかみさまスコップで耕した畑だね。
「うわ! もう芽が出たぴょん!」
「すごいだろ?」
「本当に今日の夕方には収穫が出来そうぴょん!」
すごいものを見てるような目をして、ケインを見つめるラビィ。
僕は得意げに説明をする。
「ケインだけじゃなく、他の作物も常識じゃ考えられないぐらい成長が速いんだぞ」
「すごいぴょん! 人参を植えるのが楽しみぴょん!」
そういいながら、何かを思い出したラビィ。
首を傾げている。
「畑にケインなんてなかったと思うんだけど、どこで手に入れたぴょん?」
ケインの入手ルートは大黒のおっさんには内緒だけど、ラビィなら話してもいいかな?
「あそこに大きな木があるだろ?」
「あんな木も、島にはなかったぴょん」
「あれはユグドラシルと呼ばれる聖木だ」
「聖木なのか?」
ラビィはそれを聞いて目を丸くしている。
そりゃな。
ユグの頭の芽からものすごい勢いで育った聖木。
僕もギフトを見るまでは聖木なのを信じられなかった。
「あの木は年に一回、ギフトという色々な宝物の入った実を沢山降らせるんだ。そこからケインの種を手に入れた」
「それはすごいぴょん! 残りの実からは何が出たぴょん?」
「それがなー、風で飛ばされてどっかに飛んで行ったんだよ。採れたのはケインとイースト菌と砂糖だけだった」
「にゃにー! なんでちゃんと拾わないぴょん! 人参が入っていたかもぴょん!」
なんか握りこぶしをぷるぷる震わせて、めちゃくちゃラビィが怒ってる。
人参がそんなに好きなのかよ?
僕はラビィをなだめた。
「これだけ強い風が吹き荒れる島なんだから、飛ばされるのは仕方ないだろ?」
「そうだけど、飛ばされる前に収穫出来なかったぴょん?」
「サルでもないのに、あんな高い木に登れる訳が無いだろ」
「ダメっ子ぴょん」
「だ、ダメっ子だと! け、眷属がそんなこと言うのか?」
「採れなかったからダメっ子と言って何が悪いぴょん!」
「じゃあ、お前はあの木を登れるのかよ?」
「ふふふ、ジーン。このわたしを誰だと思っている?」
急に大きな態度を取り始めるラビィ。
なにこいつ。
何を根拠にこんなに大きな態度を取れる訳?
「アキレスにも駆けっこで勝った迅速のラビィさまぴょん!」
「でも、お前は速さだけの不器用っ娘だろ? この前もサメを踏みつけて追いかけられていたし!」
それには答えずに不遜な態度を取り続けるラビィ。
「ふふふ、一芸に秀でる者は全てを制すぴょん! わたしの速度をもってすれば、あんな木を登るのはたやすいことぴょん!」
そういったラビィは不敵な笑みを浮かべた。
いったい、どうやって登るんだろう?
謎だ。
かみさまポイント
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繰り越し 80ポイント
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支出
なし
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収入
お祈り +30ポイント(ジーン、ミーニャ、ユグ)
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合計 110ポイント
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『クラスごと集団転移しましたが、一番強い俺は最弱の商人に偽装中です。 ②』が12月28日に双葉社様より発売です。1巻ともどもよろしくお願いします。




