砲撃
僕を目掛けて、主砲の砲塔が狙いをつける。
このままでは二人を巻き添えにしてしまう。
僕は二人を逃がす!
「ミーニャ! ユグ! 今すぐ、僕のダンジョンに逃げろ!」
「ジーンさまは?」
「俺はポーションで何とかするから大丈夫だ! 早く逃げろ!」
「でも、お父さん……」
「ユグを守れ、ミーニャ!」
「はい!」
ミーニャは視線をユグに合わせて、両手で肩を押さえる。
「ユグちゃん、お父さんはものすごいポーションを持ってるからすごく強いの。大丈夫だよ」
「わかったのです。お父さんも早く逃げてくださいなのです」
二人は僕を見ながら、逃げた。
これで、安心だ。
でもな。
ポーションで何とかするってのは、うそだ。
確かに僕は、この島に来てからダンジョンで手に入れた薬草を育てている。
でも、ポーションを作っても入れておく容器が無い。
なので、まだポーションは作っていない。
だから、僕にあるのはこの身一つだ!
この身だけで何とかしないとならない!
砲塔に魔力が集まる!
魔法陣が回転し収縮。
収縮するほどに明るくなる魔法陣。
そして、太陽よりも明るくなり、魔法陣は点となった。
撃ち出される砲弾!
凄まじい音と共に、砲弾が撃ち込まれた。
砲弾は空気を切り裂き、突き進む!
僕はとっさに、斜め前方に走る!
避ける!
僕を完璧に狙ってきたのならば、斜め前方に逃げるのが一番避ける確率が上がる。
だが、砲撃距離は至近!
撃ち出された途端に着弾!
逃げられる時間はなかった。
「だがーん!」
僕は避けられず、その凄まじい炸裂のエネルギーを全身に受ける。
そして、爆裂四散し、この世から消え……。
あれ?
なんともない?
どうなってる?
何が起こってる?
「どがーん!」
僕の目の前には、大声で爆発音を叫ぶ変なおっさんが居た。
異国風の服を着ている丸っこいおっさん。
片手にハンマーを持ち、片手で大袋を持ち肩に担いでいる。
そして、ちょい悪おやじ風に日焼けした顔。
そのおっさんが、再び叫んだ。
「どがーん! あれ? 渾身のギャグが受けへんかったかな?」
首を傾げて、頭をポリポリかくおっさん。
あんな大声がうける訳ないでしょ!
死ぬかと思った!
あれで冗談と思えるのは感覚おかしいよ!
間違いなく、変なおっさんだ。
おっさんが変なのはそれだけじゃない。
おっさんは砲弾のような物の上に乗っていた。
右足と左足それぞれに砲弾。
それに大股開いて載っている。
なにこの人?
ちょっと関わっちゃヤバい人?
僕がジロジロと砲弾を見ていたのに気が付いたのか、おっさん。
頼みもしないのに、説明を始めた。
「兄ちゃん、これが気になるんか?」
「ええ、まあ」
「これはな、タワラホーバーっていうて……簡単に言うと宙に浮く乗り物や。見た目を米を入れとく俵に改造したんや。おもろいやろ?」
タワラとかコメってなんだろう?
聞きたいけど、聞いちゃいけない気がする。
気のない返事で返す僕。
するとおっさん、肩を落としてガックリしている。
「あれ? 受けへんか? おかしいな~?」
またまた、首を傾げるおっさん。
本気で悩んでいるみたい。
ところで、このおっさん、どこから現れたんだ?
タワラホーバーとやらよりも、このおっさんがどこから来たかの方が気になる。
さあ、このおっさんは誰でしょうか?
有名人です。
正解は次回更新で!




