砂糖
朝
朝になると、僕の思ったとおりケインが育っていた。
もう高さは僕の背を軽く越えて3倍近くになっている。
「随分と育ちましたね」
「ギフトから出た種だから、特別なのかな? さすがユグの頭から育った木からもたらされたギフトだな」
それを聞いたユグは胸を張って誇らしげにしていた。
とりあえずは収穫だ。
毎朝の日課のお祈りを済ませた僕らは作業に取り掛かる。
このケイン、思ったよりも太い。
そして固い。
武器になるんじゃないかってぐらい固かった。
伐採にはノコギリが役立ったぐらいだ。
こんな固い木みたいな物からどうやって砂糖を取り出すんだろう?
種を大切に取り出し、かさばる茎は束ねて置いておく。
とは言っても3本だけ。
あっという間に収穫が終わったね。
先端の種は丁寧に取って回収。
畑に植えておいた。
根っこをかみさまスコップで耕して肥料にしようとしたら、ユグが止めた。
「その根を残しておくと、そこからまた生えますよ」
「根で増えるのか」
「はい。あと、茎も細かく切って、種のように植えておくと増えます」
「ほうほう。ジャガイモみたいなんだな」
さてと。
このケインの茎だけど、どうするか?
とりあえず2本は増やすのに使って、1本は食べてみたいな。
とりあえず根元の方を切り落として、しゃぶってみた。
あまい!
しっとりとした甘い液が中に詰まっていた。
ミーニャたちも興味津々で顔を近づけてきて覗き込んできた。
あんまり顔が近くて邪魔なので、同じく茎を切り落として渡してみた。
一瞬で顔をとろけさせる二人。
「お父さん、あま~いのです!」
「あまいです! おいしいのです! お口の中がパラダイスなのです。ジーンさますごいです!」
二人にも樹液?が大好評だった。
これだけ甘いってことは、この樹液が砂糖の原料になるんだろうな。
間違いない。
この液を搾ればいい。
でも、これをどうやって搾る?
こんな固いものを搾れるものなのか?
僕が考え込んでいると、白スライムさんが僕のズボンのすそをつんつん引っ張る。
「ぴききー!(しぼりきつくろう!)」
「作れるの?」
「うん!」
スライムさん総動員で搾り器を作り始めた。
出来た物は単純だった。
大きな岩を太めの円筒状に加工。
その真ん中にうす状になる様に穴を開ける。
大きなコップやつぼみたいな感じだね。
そして、底には小さな穴が開いている。
そこから搾り汁が出てくるみたい。
今度は、別の石を持ってきて、その穴にピッタリな石の柱を作ってる。
これが搾る時の重りになるみたい。
そして、その柱に丸太をくくり付ける。
この柱を下げたり上げたりして、重りを上げ下げして搾るみたい。
そして、てこの支点となる柱を組み合わせれば出来上がり。
あっという間に終わった。
スライムさんが簡単に作り上げたけど、僕が作ったらコップ状の岩を作るだけで3年は掛かるね。
間違いなく、それぐらい掛かる。
早速、細かく砕いたケインの茎を搾り器の中に入れる。
そして、柱の船団に体重を掛ける。
重りが押し下げられて……。
じゅぶぶぶぶ。
じょぼじょぼと音を立てて、搾り汁が出てきた!
なめると、甘い!
ミーニャとユグもやってきて、なめる。
こらこら、そんなに飲んだら無くなるから!
ミーニャ、ユグ、やめなさい!
ミーニャたちから守り切った搾り汁。
これを煮詰めるんだ。
石鍋で煮詰めると……出来た!
砂糖の出来上がり!
量は少ないんだけどね。
ちょっと黒いけど、甘さはギフトから出てきた白い砂糖と変わらない。
僕らに新たな食糧が出来た瞬間であった。
かみさまポイント
――――――――――
繰り越し 150ポイント
―――――
支出
なし
―――――
収入
お祈り +30ポイント(ジーン、ミーニャ、ユグ)
――――――――――
合計 180ポイント




