石窯
「この樹から砂糖が採れるのか」
「はいです」
この樹は世界樹ユグドラシル。
ユグの頭の双葉から育った聖木。
聖木だからなんでもありそうだな。
砂糖が採れても何の不思議もない。
「まだ育ってないので採れませんが、成長すれば必ず砂糖が採れるようになるはずです」
という事だった。
世界樹が成長して砂糖が採れるようになるまでに、まだ時間が有りそう。
その間にやることがある。
パンを作る道具の用意だ。
思いつく道具はこんなところ。
・石窯
パンを焼くのに絶対必要。
・石臼
小麦粉を作るのに必要。
・ボール
小麦粉を水で捏ねるのに必要。
まあ、これは、そこらへんに転がっている平らな石を使えばいいので無くてもいけるかもしれない。
・麺棒
小麦粉を捏ねたり伸ばすのに使う。
石臼については構造がわかるけど、問題は石窯だな。
石窯の構造がよくわからない。
薬草以外の事を知らない僕はダメだな。
物知りなミーニャに聞いてみたけど、さすがに解らなかった。
なので、シナトベさまにお願いする事にした。
僕は祭壇で全身全霊のお祈りを捧げながら、シナトベさまに声を掛ける。
「シナトベさま! 石窯を頂けないでしょうか?」
『石窯?か』
「はい、パンを焼く窯です」
『わらわは詳しくないが、作り方がわかる者を送るので待つが良いのだ』
「ありがとうございます」
『本当は石窯を送りたいところなのだが、お父さまに生活用品以外の物を与えてはいけないと、口を酸っぱくして怒られたのだ』
この前シナトベさまのお父さんのイザナギさんが来た時に、武器を与えてはいけない天界規定が有ると言ってたな。
たぶん、その事なんだろう。
石窯が武器になるのかは少し怪しい。
でも、お父さんの言いつけをちゃんと守ってるんだな。
石窯は手に入らないけど、作り方を教えてくれる人を送ってくれるので、どうにかなりそう。
あ、忘れるとこだった。
ユグの服を頼まないとな。
服なら生活用品だし、武器じゃないから大丈夫だよね?
「シナトベさま、もう一つお願いがあります」
『なんなのだ? 言ってみるのだ』
「僕の娘のユグの服を作っていただきたいのです」
『ふ、服が欲しいのか?』
「はい、是非とも!」
『もふもふが……うぐぐ』
「娘にちゃんとした服を着せてやりたいのです。どうかお願いします!」
『わ、わかったのだ。我が信徒第一号のジーンの為なのだ。辛いけど頑張るのだ!』
シナトベさまの声は、これからやって来るもふらーの恐怖で震えていた。
かみさまポイント
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繰り越し 90ポイント
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支出
なし
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収入
なし
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合計 90ポイント




