カグツチダンジョン再攻略
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夜になると僕らのダンジョン部屋に泊まると言い出したシナトベさま。
さすがに童女をこんな何にもないところに泊めるのはためらってしまう。
でも、シナトベさまの意思は固いみたい。
「こんな簡単なダンジョンの攻略が終わってないのに帰るなんて、神の名折れ。今日はここで泊まるのだ」
そういって、僕とミーニャの間に無理やり割り込んで寝始めた。
童女なのに、親御さんになんの断りもなく泊まっていいのかな?
シナトベさまが寝息をたてたころ、ダンジョンの入り口でわざとらしい咳払いが聞こえる。
「おっほん! ジーン君はおるか?」
僕は慌てて、声の主に向かう。
僕の心配通り、お父さんが様子を見に来たみたいだ。
シナトベさまとの出会いの時に会ったあの男の人だ。
「ワシはシナトベの父親のイザナギという者だ。シナトベは元気にやっておるか?」
「ええ。元気にやっているというか、こちらがお世話になりっぱなしです」
「そうか、そうか。よろしく頼むぞ」
「いえいえ、こちらこそお願いします」
社交辞令的な挨拶を済ます僕とイザナギさん。
娘の様子が心配で見に来たらしい。
イザナギさんは懐から何か取り出した。
宝珠のようだ。
「万一、危険な目に遭った時、これを使ってくれ」
「これはなんの宝珠ですか?」
「これは召喚の宝珠だ。何かあったらワシが必ず駆けつける」
シナトベさまのお父さんのイザナギさんは、子煩悩の親でした。
「本来はジーン君のダンジョン攻略の手伝いをしたいところなんだがな」
「いえいえ、そんなこと……」
「天界規定が厳しくなってな。神が人間に直接介入する事が禁止になったんだ。すまない」
「カグツチさんも似たようなことを言っていましたね」
「最近な、とある神が人間の戦争に介入したことで騒ぎを起こしてな。それで色々と厳しくなったんだよ」
たしか、カグツチさんも似たような事を言っていたな。
かみさまも大変なんだな。
「まあ、大切な娘の為なら、そんな糞な決まりなんて余裕で破るけどな! あははは!」
自重を感じさせない笑い。
やっぱり、親バカでした。
*
翌日、ダンジョン攻略を再開。
ダンジョンは大変だったよ。
ゲジゲジ、毒芋虫。
攻撃が特殊なだけで、動きが鈍く、体力が少なくて弱いみたい。
でも、触れたらヤバそうな攻撃ばかり。
なんでこんな変な敵を配置してるんだよ!
弓矢もない僕にはきつすぎる敵だ。
魔法の使えるシナトベさまが居なかったら、ダンジョン攻略が詰んでたね。
そして、最後の階層では、陸サメ迄出てくるし。
こいつは普通に強かった。
でも、シナトベさまの敵じゃない。
次々に細切れになるサメたち。
スライムさんがサメの切り身を持って帰ろうとしたので全力で止めた。
そんなの食べれないから!
食べてもきっと美味しくないから!
*
そして最終層のボス部屋に待っていたボスは……うさっ娘だった。
「わたしはラビィぴょん! あんたらに勝って、自由を手に入れるのよ、ぴょん!」
取って付けたような語尾がやばい。
しかもかなりアホっぽい。
でも、攻撃はウサギだけあって、すばやかった。
「ばびゅーん、ぴょん!」
間抜けな掛け声だけど、とんでもない速さ。
隙をつかれたのもあって、逃げ遅れた!
「ジーンさま!」
ミーニャに袖を引っ張ってもらわなければ、体当たりを食らっていた。
そのとき、避け遅れた僕の足が、うさっ娘の足に絡み……。
「どげーん! ぴょん!」
うさっ娘はコケて、顔面から地面に突っ伏して転がる!
そして、壁に激突!
大の字になって、壁に張り付いた。
「な、なにをする、ぴょん!」
もう一度僕に突進を始める。
僕はそっとよけて、足をさし出す。
避けもせずに、またコケる。
「どげげーん! ぴょん!」
このうさっ娘、学習能力が無いんだろうか?
またまた、コケて壁に激突だ。
3回ぐらい繰り返したら、うさっ娘は伸びてしまった。
「ばたーんきゅー、ぴょん。まいった、ぴょん」
それを見て呆れるシナトベさま。
「なんていう、情けない戦いなのだ」
僕もそう思う。
ミーニャもそう思ってるみたい。
ボスが勝手に倒れたので、宝箱を開ける。
中からは……。
「のこぎり、ゲットだぜ!」
きっとこれはカグツチさんの気配りだ。
宝箱に僕の欲しかったのこぎりを入れてくれたんだと思う。
カグツチさん、ありがとう。
かみさまポイント
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繰り越し 70ポイント
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支出
なし
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収入
なし
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合計 70ポイント




