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かみさまスコップ ~神器で始める開拓農業ライフ~  作者: かわち乃梵天丸
第五章 かみさまと始めるダンジョン攻略
40/102

初めてのダンジョン

 引き続き 朝

 

 僕らが困り果てていると、野太い声が掛けられた。

 この声はカグツチさんだ。


「どうだ? ダンジョンシードは手に入ったか?」

「シナトベさまに頂いて、手に入れることは出来ました。ただ、使い方がわからなくて困っているところです」

「埋めてみたんですけど、全然ダンジョンが出来ません」

「がははははは! 埋めたのか。こりゃ傑作だな」


 そういうと、ダンジョンシードを掘り起こして、僕の手のひらに載せた。


「これに魔力を通すとダンジョンが出来るんじゃ。ほれ、魔力を込めてみな」

「魔力ですか?」


 魔力を込めてみると僅かに光る。

 僕は魔法なんて使えないから、魔力を込めたのは嘘。

 たんに気合を入れてみた。

 でも見てよ!

 それに反応して、雫がこぼれ落ちる。

 そして、石が盛り上がり入り口が出来た。

 やった!

 僕にも魔力があったんだ!


「ちゃんと魔力を込められたようだな。ダンジョンの完成だな」

「おお!」

「ジーンさま、すごいです!」


 満面の笑みで僕をほめたたえるミーニャ。

 僕を持ち上げ続けるブレない少女。

 すごくかわいい。


「お主の作ったダンジョンだ。一番に入ってこい」

「はい!」


 僕とミーニャは、恐る恐るダンジョンに足を踏み入れる。

 なだらかな下り坂の通路を歩く。

 ここはダンジョンだ。

 ダンジョンといえば敵の巣窟。

 どこから敵が襲ってくるのかわからない!

 片手に持った短剣の柄が緊張で汗ばむ。


 でも、なんだ?

 このダンジョンには、緊張感が全くない。

 入り口こそ薄暗い感じだったのに、今やまるで太陽から日が射してるみたいに明るい。

 不思議なことに、ダンジョンは地下あるはずなのに、外と変わらない明るさだ。

 照明無しでも余裕で歩ける。


 そして、周りはどう見ても草原。

 さっきまでは間違いなく岩壁のトンネルみたいな感じだったんだけどな。

 今は、岩壁の代わりに柵で囲われた、断崖絶壁の尾根道みたいになっている。

 青空と山々が見える絶景。

 とっても不思議。


 そして、すぐに部屋が有った。

 10メトル四方の小部屋だ。

 小部屋というよりも、まんま草原。

 その草原を柵で囲んであり、小部屋状になっている。

 その真ん中には宝箱が!

 一振りで大地を切り裂くような、物凄いお宝が入っているかもしれない。


「いきなり宝箱か! ついてるな!」

「さすがです! ジーンさま!」

「ほほう。いきなり宝部屋か。これは面白い」


 後からついてきたカグツチさんも感心している。


「お宝か。ほれ、開けてみろ」


 宝箱を開けると、中から薬草が一株出て来た。

 ぐは!

 ハズレだ。

 僕が薬草を手にすると、宝箱は霧が晴れるように跡形もなく消えた。

 あまりに不思議過ぎて、細かいことは考えないことにした。


「まあ、初めの部屋の宝箱の中身はこんなもんじゃろ」

「ジーンさま、次の宝箱に期待です!」


 まあ、ダンジョンに入ってすぐの宝箱だからな。

 ボスが守っている最奥の宝箱だったら、いいお宝が入っているはずだ。

 あれぇ?

 先に進もうとしたら、次の部屋への通路が無い。

 どうなってるの?


「次の部屋が無いんですけど!」

「この部屋だけか。まあ、魔力が低い者だとこんなもんだな」


 ぐはっ!

 やっぱり!

 僕には魔力が無いのか。


「モンスターもいないんですね」

「魔力が低いと、モンスターも生成できないみたいだな。がははは!」

「モンスターの現れないダンジョンを作るなんて、さすがジーンさまです!」


 それ、褒めてるの?

 褒めてるんだよね?

 ナチュラルに全否定してたりしないよね?


「さてと、戻るぞ」


 カグツチさんに言われて入り口に戻る。

 入り口すぐのとこにプレートがあるのに気が付いた。


 ――――――――――

 ダンジョンネーム:初めてのダンジョン

 ダンジョンレベル:0

 深度:0

 タイプ:草原

 ――――――――――


 僕がプレートを見ているのに気が付いたカグツチさんが声を掛けてきた。


「ダンジョンレベルというのが、このダンジョンの難易度だな」


 難易度ゼロは敵なしって意味なのか。


「深度はダンジョンの階層だな。深いほどいいお宝が手に入って、そのぶん強い敵が出てくる」


 深度ゼロって……ダンジョンでも何でもないじゃないか。

 ただの洞穴ほらあなだよ。


「それにしても、ここまで浅いダンジョンは初めて見たぞw がははは!」

「これじゃ、オリハルコンどころじゃないですね」


 オリハルコンが手に入らなかったんだけど、どうするんだろう?

 見かねたカグツチさんがダンジョンシードを手に取る。

 

「他の奴らには内緒でな」


 ウィンクして、舌をペロッと……今、おっさんに一番似合わない仕草No.1(僕調べ)。

 僕の親父とおんなじしぐさをしないで欲しい。


 カグツチさんがダンジョンシードに魔力を込める。

 雫がしたたる。


 ずずず!


 と、地面の奥底から重い音がして、新しい入り口が出来た。


「ほれ、そこのプレートを見てみな」


 入り口を入ってすぐのとこに、新たなプレートが見える。


 ――――――――――

 ダンジョンネーム:【火の神のダンジョン】採掘

 ダンジョンレベル:5

 深度:15

 タイプ:探鉱

 ――――――――――


「おっ、いい感じでダンジョンが出来てるな」

「さっきとダンジョンタイプとダンジョンレベルが全然違いますね」

「ダンジョンタイプは魔力を注ぎ込んだ者の生業なりわいの影響を受ける」

「僕の場合は薬草屋が生業なので草関係で草原なのですね」

「そうじゃな。ワシの場合は鍛冶屋だから、それに関係する探鉱タイプじゃな」


 これは面白い。

 ミーニャだと、どんなダンジョンが出来るのかな?

 猫の国のダンジョンになるんだろうか?

 きっと、優しい感じのダンジョンになるんだろうな。

 試してみたい。


「まあ、これでもお主らが攻略できるように、魔力をかなり控えめに注いだんだぞ。階層は浅いが、最下層でオリハルコンが取れるはずだから安心せい」

「ありがとうございます」

「取れると言っても、ごく稀じゃがな。がははは!」

「稀なのですか」


 オリハルコンと交換で手に入る、のこぎり入手の道は遠そうだ。


「危ないからシナトベが来るまでは深く潜るなよ」と釘を刺してカグツチさんは帰って行った。


 これから、僕らの冒険生活が始まる!

 始まるんだ!

 始まる~!


 僕が感慨かんがいにふけっていると、ミーニャの声が僕を現実に引き戻す。


「ジーンさま、先に畑仕事を済ませましょう! お水をやらないと、せっかくの畑の作物が枯れちゃいますよ」

「う、うん、そうだね」

 

 僕らの本業は冒険者じゃなく、農家だった……。

 むーん。

 かみさまポイント

 ――――――――――

 繰り越し 70ポイント

 ―――――

 支出

 なし

 ―――――

 収入 

 なし

 ――――――――――

 合計 70ポイント

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