服
昼
今日も引き続き防風林の植林をした。
防風林が増えてきたせいか、頂上を吹き荒れる風が弱まってきた気がする。
僕が、そんな話をするとミーニャも頷いてくれた。
とはいえ、まだまだ頂上を吹き荒れる風は強い。
日の傾いた夕方に水浴びすると風に吹かれて寒い。
ミーニャにはまだ気温の温かい昼食後に水浴びしてもらうことにした。
そう話すとミーニャが僕も一緒に水浴びをしないかを誘ってくる。
「ジーンさまも一緒に水浴びをしませんか? お背中を流しますよ」
一緒に水浴び?
ミーニャと一緒に?
それは、素晴らしい提案だ。
で、でも……。
女の子とロクに話をしたこともない僕にはやたらハードルの高いイベントだ。
ミーニャと一緒に暮らしてるものの、背中とはいえ裸を見られるのが恥ずかしい。
なので遠慮した。
まだ、ミーニャに背中を見られる心の準備が僕には出来ていない。
小心者ですまない。
でも、せっかくミーニャと触れ合えるチャンスだったのに、ちょっともったいなかったかな?
ミーニャの水浴びの間、僕は畑の収穫。
ヒマワリがたくさん採れた。
でも、トウモロコシが手に入った今は、あんまり食べる気にならない。
ヒマワリの種は大量に取れるので、食べる以外の別の使い道を考えないと。
防風林の近くに植えて、防風林代わりにするのもいい。
今まで食べ物と言えばヒマワリの種。それはもう飽き飽き。
そういえばヒマワリ油ってあったな。
ヒマワリの種から取る油かな?
今度かみさまスコップで岩を加工して、ヒマワリの種をすり潰せる石臼っぽい物を作ってみよう。
*
夕方
ふー疲れた。
今日一日、植林を進めた。
風が強いと何をするのも大変だからな。
風を遮るための防風林を優先して作っている。
植林が進んで、合計200本ぐらいになった。
寝床に戻ってきて、寝藁を敷いていると、朝の変態お姉さんが戻ってきた。
また、ミーニャをもふりに来たのか?
そうはさせない!
僕はミーニャを背に隠すように立ちはだかった。
でも、お姉さんの用事は違った。
「服を作ってきたわよ」
寝藁の上に服を広げるお姉さん。
それを見た、ミーニャの目が輝いた。
「綺麗」
それは綺麗なワンピースであった。
それでいて作業着にも使える利便性がある。
素晴らしい服だった。
「モフモフを堪能させてもらったぶん、かなり頑張らせてもらったわ。試着してみなさい。サイズはピッタリのはずよ」
すぐに寝床で着替えることになった。
俺が寝床から離れていると、着替え終わったミーニャがやってくる。
「どうですか? この服」
「いいね」
もともと可愛らしかったけど、それに美しさが加わった。
「かなり気に入っています」
それを聞いたアメノハヅチが得意気に語る。
「久々の自信作よ。見た目だけじゃなく、機能性も重視、それでいて特殊効果もついているのよ」
「特殊効果?」
「まずは高耐久で破れない。防御力も大幅アップで板金鎧より頑丈よ。それでいて状態異常完全耐性も付いてる優れモノ。自分で言うのもなんだけど、久しぶりの力作! 神器レベルの服だわ」
すげー!
というか。
「状態異常って……そんなのいるのかよ」
「要るわ! 絶対に要る!」
「この島は毒蛇どころか、ウサギ一匹もいないんだぞ?」
「シナトベちゃんから聞いたわ。ミーニャちゃんはネギを食べて倒れたのよね?」
たしかに、ネギ汁を食べて倒れたことがある。
あれは僕の責任だった。
「だから、どんな物を食べても倒れないように、解毒作用を付けて欲しいとシナトベちゃんに頼まれたの。これを着ていれば病気知らずの医者知らずよ」
そうだったのか。
シナトベさま、そこまで気を使ってくれたんだ。
ありがとう。
「まあ、初めてのリアルケモっ娘のもふもふに感動して、お姉さんが頑張りすぎちゃったのもあるけどね。あははは」
もふもふって……。
やっぱり採寸じゃなかったのかよ。
「じゃあ、ジーン君の服もつづらの中に入れておいたからあとで着てみてね」
そう言うと、お姉さんは帰って行った。
つづらの中には、下着と、俺の服と、二人の寝間着も入っていた。
シナトベさま、アメノハヅチさまありがとう!
僕らは、感謝のお祈りを捧げた。




