表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/102

急変

 ミーニャは朝の分の雑草汁を鼻を詰まんで飲んでいる。

 相変わらず癖のある臭いに慣れないみたいだ。

 これしか飲み物は無いので、我慢してもらうしかない。


「不味いなら無理するなよ」

「いえ、とっても美味しいです」


 そういうミーニャであったが、とても美味しそうな顔には見えなかった。

 早いとこ、井戸を掘ってやらないとな。


 雑草汁を作る合間に島を調べまわってみたものの、結局なにも収穫は無かった。

 ロランジュの実を食べながら、今日も星空を眺める。

 二人で色々と話をした。

 薬草採りの話。

 親父の話。

 村の女の子の話。

 楽しそうに聞いていたミーニャであったけど、村の女の子の話をしたときは沈んだ表情をしていた。

 

「ジーンさまは恋人がいるんですか?」

「朝から晩まで薬草採りしかしてないのに、そんな人がいる訳が無いだろ?」

 

 それを聞いたミーニャは再び表情が明るくなる。

 これってもしかして、ミーニャは僕のことが好きなのかな?

 女の子に好かれたことが無いので、よくわからない。

 

 *

 

 翌朝、ミーニャが雑草汁を飲んでいると、いきなり倒れた。

 

「ミーニャ、どうした?」

 

 額を触ってみるとすごい熱だった。

 ミーニャの口からは返事は無く、はぁはぁと苦しそうな息しか漏れてこない。

 

「おい! ミーニャ!」


 こんな時は額に濡れタオルを乗せて熱を下げるが、水が無い。

 海に行って海水を汲んでくるしかない。

 でも……それまでもつんだろうか?

 他に水分になるものは……ある!


 ロランジュだ!


 まだ、今夜の分のロランジュが二個残ってるはずだ。

 少しべたつくが、これを搾って布巾を濡らせば……。

 ミーニャの持つ布袋を開けてみると、そこにはロランジュが四個残っていた。


 これは……。


 考えなくてもわかる。

 ミーニャは自分ではロランジュを食べずに、俺だけに渡していたんだ。

 雑草汁しか飲まずに過ごしていたミーニャ。

 もっと早くに気が付くべきだった。


 何かないか、持ち物を漁る。

 でも、使えそうなものは何もない。

 とりあえず、ロランジュを絞り、布巾を濡らし額に載せる。

 余った搾り汁をミーニャに飲ませる。

 

 でも、症状は改善しない。

 まずい!

 これはマズい!

 こんなとこで、高熱を出したら命にかかわる!

 

 薬草さえあればポーションを作ることが出来る。

 ポーションが有れば症状が改善するはずだ。


 だけど、辺りを探しても薬草なんてどこにもない。

 俺がなにも出来ずにいると、ミーニャの熱は更に上がる。

 額に触るのが怖い位の熱だ。

 これはどう考えてもヤバい状況だ!

 このままではきっと死ぬ。


 どうすればいい?


 わからない。

 ミーニャを失いたくない!


 でも、何ができる?

 父さんなら何かできたかもしれない。

 でも、ここにはいない。

 もっと父さんから薬品作りを教えてもらわなかったことを悔いる。

 

 ミーニャの息が更に荒くなる。

 このままでは間違いなくミーニャを失うことになる。


 嫌だ!


 そんな事は考えたくもない!

 なんとかならないのか?

 誰でもいい!


「誰でもいいから助けてくれ!」


 その言葉を言った瞬間、胸のかんざしが輝く。

 まばゆい光が溢れ出した!

 そして、辺りに突風が吹いた。


「誰でもいいとは失礼なのだ」

 

 目の前には、以前山の中で助けた女の子が立っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ