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飲み水づくり

 僕は手持ちの物を確認する。

 近場の平な岩の上に持っている物を広げる。

 幸いなことに、追放の時に持っている物を盗られることは無かった。

 

 ・簡易調合キット

  着火器×1

  乳鉢×3

  乳棒×1

  濾過布巾×3

 ・短剣×1

 

 これだけあれば、量は少なくなるだろうが飲み水は作れそうだ。

 僕が荷物を広げているのに気が付いたミーニャが覗き込んでくる。

 

「何をしているんですか?」

「これで何とか水が作れないかと思ってね」

「水が作れるんですか? ジーンさますごいです!」

「水って言っても生きながらえる事が出来る程度の必要最低限の量の水分だけどね」

「それなら……ここにいいものが有ります」

 

 ミーニャは布袋から取り出したものを岩の上にのせた。

 それは……ロランジュの実だ。

 真っ赤な夕日の色をした柑橘系の果実。

 中に水分たっぷりのふさが入っている。


「これ、ジーンさまに貰ったロランジュです」

「あー、あの時のか」


 たしか、忌避剤使ってミーニャを巻き込んだ時に渡したロランジュだ。

 忌避剤の煙を吸い込んでせき込んでいたミーニャに飲み水代わりに渡したロランジュだ。

 これが有れば、水が確保できる迄、数日の余裕が出来る!

 ミーニャ、グッジョブだ!


「六個あるから、二人で一日一個ずつ食べても三日間はしのげるな」

「はい!」

「その間に、僕が何とかするさ」

「頑張ってください!」

 

 僕は飲み水の確保を始めた。

 

 *

 

 とは言ってもやれる事は少ない。

 

 井戸が掘れれば全て解決する気がするが、地面が岩だとそう簡単にはいかない。

 岩をどかして穴を掘るしかないけど、この島の岩はかなりデカい。

 一メトルクラスの大岩がゴロゴロ転がっている。

 中には三メトル大の大岩も。

 岩をどかして穴を掘っても、すぐに地中に埋まった大岩に当たって掘れなくなるのは目に見えている。

 

 井戸を掘らずに水を得るとなると、蒸発水を集める方法が有る。

 鍋で海水を沸かし、蓋でその湯気を集める。

 だけど、その方法は道具のない今は使えない。

 

 そうなると、使える物は草しかない。

 幸い、この頂上辺りにはノービルが生えていた。

 毒のない草だ。

 地下に球根を持ち、葉だけしか取らなければ何度も生えてくる。

 水分の確保にはうってつけである。

 ノービルの葉をひたすら乳鉢ですりつぶし、草汁を作ることにした。


 ノービルをナイフで刈り取る。

 細かく刻む。

 乳鉢ですり潰す。

 湿り気が出てくるまで続ける。

 そして濾過布巾でろ過する。


 僕が作業を始めると、ミーニャが横に来て座る。

 足を抱えて、僕のする事を物珍しそうに静かに見つめていた。


 一時間やって、やっと乳鉢一杯の水分だった。

 少しネギ臭いが我慢。

 それをミーニャと分け合う。

 

「ずいぶんと臭い汁ですね」

「飲みたくないだろうけど、これしか無いんだから我慢してくれ」

「いえいえ、そんな意味で言ったんじゃありません! ジーンさまの作ったものなら、毒でも喜んで飲みます」


 毒って……。

 鼻をつまんで飲むミーニャ。

 あまりの不味さで目は泳ぎまくり、耳は倒れ、しっぽは逆毛だっている。


「おいしい!」

 

 涙目で、嘘を言うミーニャであった。

着火器を持っているので、遠くの山まで鉄鉱石を取りに行く必要が無いジーンであった。

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